緊急地震速報は震度4以上を予測した地域を対象に発表されているが、今年2月1日からこれに加え、長周期地震動階級3以上の予想地域が含まれることになった。
長周期地震動は、大きな地震で生じる周期(揺れが1往復するのにかかる時間)が長い大きな揺れのことで、地震の大きさを示す「震度」とは別に1~4の「階級」で表示される。高層ビルでの状態を想定し、気象庁が解説した各階級別の体感や室内の状況は次の通り。
階級1=やや大きな揺れ/室内にいたほとんどの人が揺れを感じる。驚く人もいる/ブラインドなど吊り下げものが大きく揺れる。
階級2=大きな揺れ/室内で大きな揺れを感じ、物につかまりたいと感じる。物につかまらないと歩くことが難しいなど行動に支障を感じる/キャスター付き什器がわずかに動く。棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。
階級3=非常に大きな揺れ/立っていることが困難になる/キャスター付き什器が大きく動く。固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある/間仕切壁などにひび割れ・亀裂が入ることがある。
階級4=極めて大きな揺れ/立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされる/キャスター付き什器が大きく動き、転倒するものがある。固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある/間仕切壁などにひび割れ・亀裂が多くなる。
緊急地震速報はテレビ、ラジオ、スマートフォンなどで受信できるが、発表から実際に揺れが来るまでの時間は10数秒から長くて数10秒という極めて短く、震源に近い地域では発表が間に合わないこともある。身を守る適切な行動がとっさにとれるとは限らないため、日頃から自分がおかれた状況に応じて適切な避難ができるよう、行動をイメージしておくことが有効だ。
地震の発生は教室や自宅にいる時ばかりとは限らない。通学の路上、電車やバスの車内、駅や商業施設など人が込み合っている場所など様々。政府広報オンラインでは津波発生時、その規模の指標と共にとるべき行動をまとめている(上の図表)。これを参考に各自が地震発生時の行動を想定することが大切だ。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年2月20日号掲載