スポーツ庁が12月公表した2022年度「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」によると、児童生徒の体力は男女共に2019年度から連続して低下、特に中学校女子は約3ポイント減少。その要因に朝食欠食、睡眠不足、スクリーンタイムの増加など生活習慣の変化、肥満傾向の児童生徒の増加などが指摘されている。
2022年4~7月に実施された国公私立の小・中学校の実技テスト等で、小学5年生、中学2年生を対象にした悉皆調査。8種目で80点満点の点数をA(小学5年=65点以上、中学3年=57点以上)からE(小学5年=41点以下、中学3年=26点以下)の5段階で評価した。
体力合計点の平均は小学5年男子52・3点(前年度52・5)、同女子54・3点(54・7)、中学2年男子40・9点(41・1)、同女子47・3点(48・4)だった。最近10年間の増減をみると、小・中学校男女のいずれも2018年度をピークとして2019年度以降は減少(2020年度は新型コロナウイルス感染症対策のため中止)が4年間にわたり続いている。
さらに体力合計点の評価も、小・中学校男女共にA・B評価の割合が減少した反面、D・E評価が増加。中2女子は特に顕著で、前年度が合計57・1%だったA・B評価は53・1%で4ポイント減少、D・E評価は15・6%から18・4%に3ポイント近くの増加がみられた。
体力低下の要因として同庁は、①1週間の総運動時間420分以上の児童生徒の割合の低迷、②肥満傾向の児童生徒の増加、③朝食欠食、睡眠不足、スマートフォン・ゲーム機等画面の視聴時間増加など生活習慣の変化による運動の減少などを指摘している。
1週間の総運動時間420分以上の児童生徒の割合は、小・中学校男女全てで前年度をわずかに上回ったが、近年のピークだった2018年度の水準には小5男子が1・3ポイント、同女子0・8ポイント、中2男子4ポイント、同女子2・7ポイント差があった。
また1週間の総運動時間420分以上の児童生徒の体力合計の平均点は小5男子が56・5点、同女子58・9点、中2男子43・2点、同女子52・2点。420未満の小5男子は48・1点、同女子は52・5点、中2男子は32・9点、同女子は40・6点だった。420分以上と同未満とでは合計点に大きな差がみられた。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年2月20日号掲載