子供たちが「和食」に触れ、興味・関心を高めることを目的とした夏休み体験イベント「子ども和食セッション」が7月24日に開催された。主催は(一社)和食文化国民会議。共催の服部学園(東京・渋谷区)を会場に、ごはんや味噌の味比べなど体験し講演でお話を聞くという充実した内容で、「和食」の奥深さや魅力が伝わるイベントとなった。
小学校4~6年生の子供とその保護者2人1組、午前・午後の2回で合計74組が参加した。
まず「だし」「ごはん」「おみそ」「感謝の気持ちと箸使い」の4つのブースで各20分程の体験学習。「だしの話」は、㈱にんべんの担当者がかつおぶしの種類や特徴、だしの取り方などを説明。「鰹節」削り体験や「だし」の試飲を行った。「ごはんのはなし」(Plenus米食文化研究所)、「味噌のはなし」(マルコメ㈱)では、いろいろな「ごはん」や「おみそ」の食べ比べをしたほか、「感謝の気持ちと箸使い」(三信化工㈱)では「いただきます」「ごちそうさま」の意味、食事中のふるまいや箸と器の扱い方など、大人になるまでに身につけたい食事のマナーについて説明を受けた。
服部学園の服部幸應校長は「食育とSDGs」をテーマに講演。2005年に日本で制定された「食育基本法」の内容は、SDGsの内容と大部分が重なること、また食材を選ぶ力の大切さ、朝食と学力の関係、子供の成長としつけに食がどのように関わってくるかなど、子供と保護者それぞれに向けてユーモアを交えながら語った。
また(一社)大日本水産会の早武忠利氏の講演テーマは「おさかなのはなし」。実物大の魚のタペストリーを広げ、その大きさを示すと、会場から歓声が上がった。“日本で採れるお勧めの海の生き物”として「ネズミザメ(もうかザメ)」「セミエビ」などを紹介。「面白い」と思った魚類を積極的に買うことが市場を支え、食生活をより豊かにできると語った。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年8月15日号掲載