文部科学省が公表した2021年度「学校保健統計調査」(速報)によると、「裸眼視力1・0未満」の児童生徒の割合は年々増加する傾向で小・中学校では過去最高となった。一方「むし歯(う歯)」の割合は小学校から高校まで減少傾向で、特に小学校(39・04%)、高校(39・77%)では初めて40%台を切った。【4面に続く】
調査は2021年4月から22年3月末までの期間で、全国の幼稚園、小学校から高等学校までの児童生徒から、健康調査は25・5%、発育調査は5・3%を抽出。昨年度に続き新型コロナウイルス感染症対策で、調査時期は例年4月から6月のところを年度末まで延長したため、文科省は過去との単純比較はできないとしている。
裸眼視力1・0未満の者の割合は、年齢が高くなるにつれておおむね増加傾向となっており、小学校1年生で約4人に1人、小学3年生で約3人に1人、小学6年生では約半数となっている。さらに中学・高校ではほとんど6割以上で、最多の高校2年生では66・4%に上った。
「健康指導の優等生」とされる「むし歯(う歯)」の児童生徒の割合は年々減少している。最も割合が高かったのは小学3年生で46・03%。学年が上がるにつれ減少し中学1年生は28・33%までに下がった。その後再び増加して高校3年生では44・52%だった。
鼻・副鼻腔疾患の者の割合は、小学校・中学校で1割程度となっており、9歳が12・79%で最も高くなっている。
身長の平均値の推移は1994年度から2001年度まで上昇し、その後横ばい傾向が続いている。体重の平均値の推移は1998年度から2006年度まで上昇し、その後は横ばい傾向で推移している。
肥満傾向の児童生徒の割合は、男女ともに小学校高学年が最も高く、特に男子は4年生以降高校1年生まで、中学校2年間を除いて12%台が続いている。一方、痩身傾向児童生徒の割合は、男女とも小学校5年生以降約2%~3%台となっている。男子が最も多かったのは高校1年生で4・02%、女子は中学1年生で3・55%だった。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年8月15日号掲載