記録的な早い梅雨明けとなった今年の日本。気象庁が6月下旬に発表した7月~9月の予想気温によると、7月は全国的に平年を上回る確率が40%、8月は北陸・東北・北海道が40%、その他は30~40%、そして9月は全国的に40%という予報で、厳しい暑さへの備えが求められる。
他方、コロナ禍で迎えた3年目の夏。熱中症対策と感染症対策が同時に求められている。こまめな窓開け換気が定着したことを背景に、学校では網戸の設置が増えているという。校舎の近くは学校農園や植栽が多いため様々な虫などが生息している。特にハエや蚊が活発に活動するこれからの季節は、開放した窓から侵入し授業の妨げになることがあるからだ。
今年6月、文部科学省が公表した学校施設整備指針の改定によると、学校施設は快適で健康的で安全性に配慮なければならないと述べる。さらに「窓による自然換気を計画する場合には、位置、開閉の方法等に留意し」「窓を開放した際の虫よけ対策として網戸を設置することも有効である」と記述している。設置には児童生徒の事故防止の配慮が必要なことは言うまでもない。
国土技術政策総合研究所「建物事故予防ナレッジベース」には、網戸を含めて学校の窓からの転落事故は194件掲載されている。そこには窓清掃の際に窓から身を乗り出したことが原因の事故など、複数の事例が掲載されている。このことから、新規に網戸を設置するなら室内付けが、より安全策につながると思われる。
学校は引き違い窓が多く、網戸は通常では窓の外側に設置されるため、網戸に生徒が寄り掛かる、加重をかける等で窓から外れ、網戸ごと転落するケースも原因。また網戸だけの落下もある。
網戸総合メーカーのセイキ販売㈱は、窓の室内側に網戸レールを設置して取り付ける「室内付パネル網戸」を発売。網戸部分だけを取り外し、清掃や張替えができるため、室内の衛生も維持しながら転落事故や落下防止になる。
窓枠の種類により「室内付パネル網戸」が設置できないケースもあるが、同社では室内取り付けの収納式網戸などラインナップが豊富で、十分な対応が期待できる。
問合せ=03・5999・5820
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年7月18日号掲載