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【不登校支援】ICT活用など提案 文科省 有識者会議が報告書

2022年6月20日

文部科学省の不登校に関する調査研究協力者会議(以下、有識者会議、座長=野田正人・立命館大学大学院人間科学研究科特任教授)は5月23日、これまでの協議による報告書をまとめた。「誰一人取り残さない学校づくり」により、全児童生徒へのスクリーニングなどで支援を必要とするニーズの早期発見、ICT活用による学習・相談活動の支援などが盛り込まれた。同省は6月10日、報告書に沿って10点にポイントを絞り全国の教育委員会等に通知した。【施策の方向性は2面】

有識者会議がまとめた報告書は33ページにわたる内容で「誰一人取り残さない学校づくり」、「困難を抱える児童生徒に対するニーズの早期把握」、「不登校児童生徒の多様な教育機会の確保」、「不登校児童生徒の社会的自立を目指した中長期的支援」という4項目を「今後重点的に実施すべき施策の方向性」としてまとめた。文科省通知はさらに報告書のポイントを明記し各学校現場への周知を求めた。

①教育機会確保法及び基本指針の学校現場への周知・浸透

②心の健康の保持に関する教育の実施及び一人一台端末を活用した早期発見=学級担任や養護教諭、SCSSWが連携しSOSの出し方に関する教育を組織的に進めていくこと。またICTを活用した教育相談体制の構築に取り組む。

③不登校傾向のある児童生徒の早期発見及び支援ニーズの適切な把握のための、スクリーニング及び「児童生徒理解・支援シート」を活用したアセスメントの有機的な実施=各教委は学校や教職員の理解を得るための研修の実施や人材の確保等を含めた教育相談体制の整備等を進める。

④不登校特例校設置の推進

⑤学校内の居場所づくり(校内の別室を活用した支援策)=オンラインやICTの活用も視野に入れ、校内の別室を活用した「校内教育支援センター(いわゆる校内適応指導教室)」の設置。

⑥フリースクール等民間団体との連携

ICT等を活用した学習支援等を含めた教育支援センターの機能強化=ICTやオンラインの特性等を活かした学習支援や体験活動、家庭訪問等を含めたアウトリーチ型支援を一括して行うような「不登校児童生徒支援センター」(仮称)を設置する

⑧教育相談の充実(オンラインカウンセリングを含む)=校長のリーダーシップの下、学校の不登校支援の取組や教育相談体制の中に専門スタッフであるSCSSWを仕組みとしてチーム学校に位置付ける。

⑨家庭教育の充実=親の会や保護者同士の学習会などの情報を教委や教育支援センター等が把握をし、保護者へ情報提供すること等も効果的。

⑩その他=自宅におけるICTを活用した学習活動について、一定要件で指導要録上の出席扱いとなる制度についての周知徹底を図る。

 

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年6月20日号掲載

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