教員の時間外勤務が月45時間以下の割合が、2021年度は2019年度に比べて小学校で最大16%、中学校で14%増えて、働き方改革の取組が進んでいることがうかがえる――文部科学省が2021年12月に公表した「令和3年度教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査」から、改革の内容が明らかになった。
全国すべての教育委員会を対象に昨年9月時点で調査、所管する各学校の働き方改革の取組の状況をまとめたもの。学校や教員が担う業務の明確化・適正化がどの程度進んでいるかを把握し促進するためだ。
改革のポイントとしては、中教審答申による業務の3分類(学校以外が担うべき業務、必ずしも教員が担う必要のない業務、負担軽減が可能な業務)をもとに、ICTを活用した校務効率化、教員業務支援員・学習指導員・部活動指導員の活用がある。
ICT活用は都道府県・政令市の9割以上、市区町村では8割近くが取り組んでいる。学校と保護者間の連絡手段のデジタル化には、都道府県・政令市が8割以上、市区町村は6割程度が取り組んでいた。
教員業務支援員は都道府県85・1%、政令市100%、市区町村81・3%が配置。業務内容をみると「新型コロナウイルス感染症対策のための清掃・消毒作業」には都道府県で90・0%、政令市で89・5%、市区町村で88・8%が従事していた。その他は全体的に「資料の印刷・配布準備」が9割以上にのぼった他、「資料の整理」が9割前後だった。
2019年度との比較では、「時間外勤務月45時間以下」の割合は次の通り。小学校では約2~16%増加(4月2・3%増、5月15・8%増、6月7・1%増、7月14・0%増、8月1・5%増)した。
中学校では約4~14%増加(4月4・2%増、5月13・5%増、6月6・3%増、7月9・8%増、8月8・5%増)。
高等学校は約8~14%増加(4月8・1%増、5月14・0%増、6月11・0%増、7月8・3%増、8月11・5%増)。
特別支援学校は約3~11%増加(4月2・5%増、5月10・7%増、6月3・8%増、7月3・8%増、8月は0%)。
幼稚園は約2~3%増加(4月1・6%増、5月2・9%増、6月2・4%増、7月2・2%増、8月は0%)。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年2月21日号掲載