文部科学省「公立小中学校施設におけるバリアフリー化の状況調査」(2020年5月1日現在)によると、車いす使用者用トイレ設置状況は校舎の65・0%、屋内運動場の36・8%だった。配慮が必要な児童生徒が在籍する学校では、校舎が78・0%、屋内運動場が41・1%だった。
昨年4月から一部改正し施行された「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(改正バリアフリー法)では新たに、学校施設等が対象に加えられたことから、文科省は今後5年間で、地域の避難所に指定されているすべての学校が車いす使用者用トイレを整備する等の目標を定めた。
三和シヤッター工業㈱は先ごろ、トイレブース「RブースTR40バリアフリー仕様」に、新型コロナウイルス感染症対策として求められる非接触型で自動開閉・施解錠の機能を持つ電動タイプを追加発売した。センサーで非接触型の自動開閉が可能なので、衛生的で安全な開け閉めができる。センサー取付位置は「実利用者研究機構」の監修で床上95センチに設定。車いす使用者も操作しやすい。
同トイレブースは、車いす使用者の円滑な出入りが可能な間口90㌢の大開口スペースを確保。バリアフリー設計のガイドラインが定める「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」(国土交通省)に対応する。また、弧を描くようにドアがスライドするので、ドアをよけるスペースや動きが不要。
安全に配慮した設計で、挟まれ防止として人や障害物を検知するとドアが反転する負荷検知機能を装備。ドアがもし当たっても戸先と戸尻の緩衝ゴムで衝撃を吸収する。停電時には電気錠が解除され室内側でも手動でドアが開閉できる。また非常時には外側の非常時開放装置(キースイッチ)を操作することでドアが開けられる。さらにドア閉鎖60分を過ぎると、外部の表示灯が点滅して知らせてくれる。
開き戸にはドアの可働スペースが、引き戸では戸袋スペースを必要とするが、同トイレブースはそれらのデッドスペースを作らず、既設のトイレブーススペースに設置できる。
▼詳細=https://www.sanwa-ss.co.jp
問合せ=03・3346・3011
教育家庭新聞 新春特別号 2022年1月1日号掲載