(一社)日本冷凍食品協会の基調講演は「冷凍食品の世界」と題し、広報部長・三浦佳子氏が冷食の歴史と現状を紹介。
日本の冷凍食品は1920年に北海道森町で日産10㌧の冷蔵庫が建設されたのがはじまり。1964年の東京オリンピックの選手村食堂で帝国ホテルの村上信夫シェフの主導で、冷凍食品を採用したのが拡大のきっかけとなった。現在では冷凍食品の年間国内消費量は過去最高の295・1万㌧、国民1人あたり23・4㎏。同協会では消費者向けWebサイト「冷食ONLINE」(https://online.reishokukyo.or.jp/)で情報を発信。「冷凍の世界~冷凍食品の新常識~」「同~製品編~」などで冷凍食品の魅力を伝えている。
冷凍食品のメリットとして三浦氏は「前処理がしてある」「急速凍結している」「適切に包装されている」「マイナス18℃以下で保管している」の4点を挙げる。
前処理されていることで調理時間が短縮できると同時に、食べられない部分は取り除いているので生ごみが出ない。また最大氷結晶生成温度帯を短時間で通過するため、食品の組織が壊れて品質が変わることがない。
マイナス18℃以下で保管することで食中毒菌などの増殖を防ぐことができる。生産・輸送・消費の過程でマイナス18℃以下のコールドチェーンをキープすることで、おいしさと栄養を保ったまま冷凍食品は食卓にあがる。家庭でもコールドチェーンが途切れないよう呼び掛けた。
「手抜きではなく、手間抜きで料理を作ることができるのが冷凍食品の魅力。栄養バランスの取れた食事をとるためにも冷凍食品を活用してほしい」と語った。