FOOD展が10月27~29日、東京ビッグサイト青海展示場(江東区)で開催された。「フードシステムソリューション」「フードセーフティジャパン」「冷食JAPAN」ほか、計6つの専門展で構成される食の複合展示会。企業・業界団体等の出展や充実したセミナーによって、学校給食も含めた「食」の最新情報が発信された。来場者数は3日間で3万2061人。学校給食やフードロスに関する多彩なセミナーの一部を紹介する。
文部科学省は「学校給食衛生管理基準」の改正を踏まえて、「学校給食施設計画の手引き」を来年3月に発行を予定。セミナー「改訂『学校給食施設計画の手引き』の活用」では、女子栄養大学の金田雅代名誉教授がコーディネーターとなり、2つの給食施設の運用事例が紹介された。
長野市第四学校給食センターは2017年4月に運用開始。同じ建物内に小学校用と中学校用の2つの調理場があり、小学校19校・中学校7校に1万1570食の給食を提供。洗浄室とアレルギー対応食のコーナーは安全性を考慮し、小中共用となっている。
調理の工夫としては、上処理室に野菜を手切りするための広いスペースを設置。スライサーで切るだけでなく、トマトや大根の角切りなど料理に合わせて手切りを行うことで、きれいな断面となり廃棄も少なくなる。
施設の2階部分は回廊式で見学エリアが設けられている。野菜下処理室や野菜切裁室、洗浄室を一望できるほか、見学者が体験できるように手洗い学習コーナーや回転釜体験コーナーが用意されている。
福生市では避難所機能・備蓄機能・応急給食機能など総合的な防災機能を併せ持つ、福生市防災食育センターが2017年9月から稼働。平常時に稼働している給食センターの「設備」「備品」「人材」を、そのまま災害時に活用することがコンセプト。最大4500食を提供可能な炊飯設備を活用、災害発生時には避難生活者1万5000人に1日1回おにぎり2個と温かい汁物を提供できる。
電気は非常時に都市ガスが使用可能な場合は非常用機器の発電に使用。都市ガスが使えない場合はLPGボンベ庫からガス変換装置を経由して発電し、炊飯器や回転釜を稼働させる。