千葉県御宿町の学校給食は、地場産物のサザエ等を取り入れた献立等で好評。しかし調理施設の老朽化で今年度4月から、勝浦市学校給食共同調理場に調理・配送を委託。同時に給食費の公会計化に移行、10月からはNTTファイナンスの「楽々クラウド決済サービス」で徴収等の一元管理を開始した。給食の質を維持し教職員の負担も増やさない公会計化が実現した。
御宿町の学校給食は昨年度まで自校調理(センター方式)で、町立の1小学校1中学校合計310食を調理していた。
地場の豊富な水産物を取り入れた献立や作り立てが食べられることで「おいしい」と好評だったが、給食施設は50年を過ぎて老朽化。保健所からの指導もあり、細心の注意を払いながら運用してきたが調理場は昨年度で廃止。今年度4月から隣接する勝浦市学校給食共同調理場に調理・配送を委託しての実施に切り替わった。
これに伴い給食費は町がまとめて委託費として勝浦市に支払うため、同時に公会計化となった。勝浦市との共通メニューで、1人1か月当たりの給食費は小学校が10円増、中学校が20円減となり保護者の大きな負担増はない。
10月から運用開始したのはNTTファイナンス(株)「楽々クラウド決済サービス」。給食費や教材費、PTA会費等の徴収を一元管理、学校や自治体の教職員の業務負担を軽減し、保護者の利便性も向上できるもの。同町のこれまでの給食費徴収は、小学校は口座引き落としで教頭が郵便局で現金化し町に支払い、中学校はクラスごとに担任が現金を集めていた。同サービス導入でこの業務・リスク管理が軽減できた。
御宿町教育課課長・吉野信次氏は、公会計化と同サービス導入の決め手となったポイントについて次のように語る。
「お金の徴収・管理の負担を軽減できたこと、先生方の手離れが一番のポイント。その労力を子供たちと向き合う時間に使って欲しい。システム構築や人件費等の特別な負担が不要だったことも重要。また給食内容もこれまでと遜色なく評判も良い」。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年11月22日号掲載