新型コロナウイルス感染症の影響で中止・延期、変更が余儀なくされた修学旅行だったが、昨年3月から12月の旅行者71万人のうち修学旅行後に感染が判明したのは30人で、10万人当たりでは4・2人となり全国平均の307・4人より大幅に少ないことが分かった。調査・集計した旅行業界団体は学校・保護者、旅行関係機関の諸対策と配慮により、一定の有効性があったことの表れとして評価している。
修学旅行に携わるJR6社と(公財)日本修学旅行協会、(公財)全国修学旅行研究協会、(一社)日本旅行業協会、(一社)全国旅行業協会が今年5月に公表。7月20日に行われた全国修学旅行研究大会の全修協報告の中で発表された。
昨年3月~12月出発分の旅行会社(JTB、日本旅行、KNT、東武トップツアーズ)が扱った修学旅行の合計では、全国で約71万人が出発している。このうち修学旅行後に新型コロナウイルス感染症を発症した場合は、保健所・学校から旅行会社に報告があるため、判明したのは30人だった。
10万人当たりの感染者数は4・2人で、ほぼ同期間にあたる今年1月末時点の全国平均307・4人と比較して少数に留まっている。
この数値を踏まえ業界団体は「修学旅行にかかわる学校関係者・PTA関係者の指導や配慮、それに基づく生徒たちの行動、旅行会社や観光事業者等の諸対策が、感染防止の観点から一定の有効性があることを表す」と述べている。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年8月16日号掲載