(一社)和食文化国民会議(以下、和食会議)では、11月24日の「和食の日」にちなんだ「だしで味わう和食の日」の協力校の募集を今年度も開始した。子供たちが和食に触れる機会となる企画で、協力校には子供用の配布資料が提供される。昨年度はコロナ禍にも関わらず、前年度より参加校が2割以上増え、全国で1万2498校(園)約287万人の子供たちが参加した。
「だしで味わう和食の日」は、学校給食や保育園・幼稚園の給食に和食献立を取り入れ、「だし」「和食」「郷土料理や食材」を話題にすることで、和食文化に触れる機会をつくる取組だ。
ユネスコの無形文化遺産に登録されている和食文化は、昨今、家庭で伝承することが難しくなってきている。和食会議では「学校等の給食の果たす役割は非常に大きくなっている」として、2015年からこの取組を実施している。幼少期は食の大切さを学ぶ上でも、味覚形成の上でも重要な時期。和食の基本である「うま味」をだしで味わうことで、日本人の伝統的な食文化を保護・継承し、郷土の風土を学ぶきっかけになる。
「だしで味わう和食の日」では、学校・幼稚園・保育園等の給食で「和食の日」である11月24日または11月中の任意の1日を和食献立とし、だしが感じられる汁物などとする。また和食会議が提供する資料の配布や、ポスターを活用して和食に関する指導を実施する。資料は小中学生用と、未就学児用の配布用の資料(A4サイズ)と、ポスターを用意している。自治体や給食センター等が申し込む場合、資料・ポスターは必要枚数が提供される。個別に申し込む場合は、資料をダウンロードして使用できる。
また「給食だより」等で、「和食の日」のロゴやイラスト、クイズを使用し参加する方法もある。申込締切は10月22日。詳細=https://washokujapan.jp/dashi-document/
昨年度、東京都葛飾区立鎌倉小学校では、東京聖英大学で教鞭をとる福留奈美氏が講師となり、5年生2クラスの児童を対象とした出前授業を実施した。
だしの材料の一つである煮干しを解体し、頭、身などの味比べや、煮干しでとっただしに、2種類の味噌を各自の好みでブレンドして溶き、味噌汁を飲む体験を行った。実は地元の野菜とし、地産地消にも触れた。
なお昨年度全国各地で実施された取組は、HP上の「令和2年度のご報告と令和3年度協力校募集」から閲覧できる。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年7月19日号掲載