「第5回食育活動表彰」の<教育関係者・事業者部門>で受賞した3園・校の食育の活動概要は次の通り。
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農林水産大臣賞を受賞した「認定こども園 武庫愛の園幼稚園」(兵庫県)の食育は、「もの」(食材)への子供の向き合い方が変わることで「ひと」や「こと」にも変容が見られるのではないかと仮説。子供の「脱『偏食』」を目指し、「お手伝い」や「給食を生きた教材とした食育」等の活動に、家庭と共に取り組んでいる。
かつおぶし削りからの「だし汁作り」、年間を通じた田んぼ・畑体験等で食への感謝の気持ちを育てている。
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消費・安全局長賞を受賞した「草津市立渋川小学校」(滋賀県)は、子供たちが郷土の食文化を伝えている。5年生が滋賀の郷土料理を学び、6年生はその食材を生み出す琵琶湖と共生してきた郷土の農林水産業を学んでいる。「滋賀の郷土料理博物館」を開館したり、他地域にテレビ会議で紹介している。また地域・行政等が環境教育の支援委員会を組織。
テレビ会議では年間20回を超える遠隔授業で、漁場や田畑と教室をつないで擬似体験活動。例えば伝統漁法による魚の水揚げの様子を漁船上から生中継し、収穫した魚を港でさばいて、その日のうちに学校に持ち帰って味わう体験から食文化の理解につなげている。
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同賞受賞校の「北海道中標津農業高等学校」(北海道)は、所在する中標津町計根別地区の近隣の幼稚園から小・中学校と連携して全学年対象の12年間を継続する食農教育を実践。幼=感じる心を育てる、小=学ぶ意欲を育てる、中=自ら考え人に伝える能力を育てる、といった発達に合わせた体験プログラムを組んでいる。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年7月19日号掲載