農林水産省は先ごろ「令和2年度食育推進施策」(食育白書)を公表。食文化の継承と食育活動を特集し、富山や高知、京都等の郷土料理を核にした伝承活動の事例、伝統食材の味噌や醤油、だしや野菜を核にした食育活動など12にのぼる事例を紹介している。
食育推進をめぐる状況では「新型コロナウイルス感染症の感染拡大と食育」のタイトルで、各種の調査結果から家族で過ごす時間の増加といったライフスタイルの変化が食育に及ぼす影響を考察している。
農水省「食に関する意識調査」(令和2年12月)によると、テレワークの進展等を背景に「自宅で食事を食べる回数」、「家族と食事を食べる回数」は共に増えている。特に20~39歳男性は48・8%が自宅での食事回数が増え、家族との食事は男女とも3割が増えたと回答した。
内閣府の「食生活に関する世論調査」(令和2年度)では、昨年から取り入れられた「新しい生活様式」の定着と共に、「国が推進すべき共食の内容」として、3密を回避した「屋外での共食」(49・8%)、「テレワークなどの働き方改革の推進による家庭での共食」(39・0%)、「農林漁業体験をセットにした共食」(23・5%)、「地域や職場などのコミュニティーの共食」(22・3%)、「子供食堂と連携した共食」(15・6%)などの項目が上がった。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年7月19日号掲載