海側には本牧・根岸・新杉田と続く重工業地帯の一角がひろがり、内陸側には、幕末に開設された日本初の洋式競馬場跡がある森林公園に連なる丘陵。そんな横浜の歴史と現在のシンボルに挟まれた、小高い丘に位置する神奈川県立横浜立野高等学校を訪問したのは6月初旬。関東では梅雨入りには至っていなかったが、各学校現場は熱中症対策の準備に取りかかる時期だった。
「ちょうど昨日、本校では『クラスの日』と呼ぶ学校行事がありました。ほぼ一日中グラウンドでの活動のため熱中症予防と感染症対策に気をつけながら無事、終了することが出来ました」。
こう語るのは同校の浅野博之教頭。クラスの日とは、クラス対抗で競う体育祭のこと。クラスの連携を深める目的でカラーチームに分かれ、全員リレーや応援合戦等は盛大に行われる。毎年6月に開催してきたがコロナ禍の影響で昨年は9月に延期だった。
今年は熱中症と感染症の両面への対策として、PTAの協力も得て万全な水分補給のため、生徒1人2本ずつ飲料PETボトルを支給。各個人が用意した水筒の他に配付したという。
屋内での熱中症対策の一環として、昨年は大型送風機を2台導入、体育館での集会、部活動や体育授業の際に使用している。その場を担当する教員の判断で活用の有無を決めている。導入以前は、小型の扇風機2台があり同様に活用されていたが、不十分だったことから大型送風機に切り替え。「やはり風量が大きいので、効果が違うようです」と浅野教頭。これからの季節、大空間の換気対策に威力を発揮する。
同校は昭和11年の設立、今年85年を迎える横浜の伝統校だが、校舎は建て替えによる築7年の新校舎。各教室はエアコン、さらにサーキュレータを1台ずつ配置。生徒用昇降口には、感染症対策のため毎朝の検温チェック時の混雑対策に冷風機を設置している。
昨年から同校が導入した㈱ナカトミの大型送風機「ビッグファン」(BF―100V)は、ファンの羽根径が60㎝、75㎝、100㎝、125㎝の4サイズ。ファンの大きさにより風量は異なり、使用する空間の広さや予算に応じて選択できる。
いずれも取手とキャスター付きなので、場所を移動して使用できる。家庭用の単相100V電源コンセントがあれば、コードを差し込むだけで、エアコン等のような設置工事は不要。転倒しにくい設計で、(BF―125Vを除いて)上下の角度調整も可能だ。
▼詳細=https://www.nakatomi-sangyo.com/
問合せ=026・245・3105
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年6月21日号掲載