学校の働き方改革の一環として、学校ごとに徴収や管理を行っている学校給食費を、自治体の業務に組み入れる「公会計化」への移行が求められている。
文部科学省が昨年公表した「学校給食費に係る公会計化等の進捗状況調査」(令和元年12月現在)では、学校給食を実施している1797自治体のうち公会計化している自治体は26%(438)。これを上回る42・9%(724)の自治体が実施予定はないと回答。その理由の多くには「業務システムの導入・改修の経費」、「同運用の経費」、「人員確保」等が上げられている。
NTTファイナンスは昨年秋から全国の自治体向けに、コストや人員の負担を省力化しながら効率的に給食費等の管理や徴収を進められる、クラウド上の決済サービス「楽々クラウド決済サービス」の提供を開始した。生徒情報や請求情報を管理し、多様な決済手段を有する徴収代行サービスと連動させることで、定期的な料金の請求・徴収業務を自動化できる。
クラウド型のサービスなので、大規模なシステム構築は不要、インターネット環境があれば利用可能で年内にLGWAN―ASPにも対応する予定。公会計化への移行について最大の阻害要因とされる「経費」問題は大幅に軽減できる。
個別管理だった生徒情報(保護者・氏名・学年など)を一元化、徴収の対象は公会計・私会計を問わない。給食費などは自治体に公会計として、教材費・PTA会費などは私会計として各学校に口座の振り分け管理も自動的に処理される。
徴収方法は口座振替だけでなくクレジットカード、振込票等の多様な方法にも対応。学校・自治体の業務負担を効率化できるだけでなく、家庭(生徒・保護者)にとっても利便性が高く、双方にメリットとなる。
公会計化には、学校の業務負担軽減に加え、4割以上の学校に給食費未払い家庭がある現状への対応を、学校ではなく自治体の責任で徴収・管理する仕組みを構築するという役割がある。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年3月15日号掲載