今年度から小中一貫教育を本格的に開始した東京都板橋区立高島第一中学校(柳澤忠男校長、生徒数371人)。3年生にストレスマネジメント教室を実施、全校規模で使用済みのコンタクトレンズ(CL)の空ケース回収活動を行っている。
今年度は新型コロナウイルス感染症の流行により積極的な体調不良の自己申告を促し、体調不良者は原則早退させている。検温も保健室前の廊下で行い、必要に応じて入室させる。
保健給食委員会の生徒たちは昨年度までドアと教卓の消毒を担当していた。コロナ禍により現在は教員が教室・備品の消毒を行うため、今年度は教室に毎日設置する加湿用の濡れタオルを生徒が管理している。
同委員会の生徒が1日2回タオルを濡らして教室の窓際数か所に掛ける。熊谷養護教諭が定期的に回収し、洗濯で消毒する。生徒たちは換気だけでなく、加湿も意識するようになったという。
毎年11月上旬には、3年生を対象に「ストレスマネジメント教室」を実施。高校受験が近づき不安が増す時期の生徒に、ストレスを正しく理解してもらうため、肩上げと腹式呼吸も実践する。
「ストレス=悪」と考えている生徒は多い。「ストレスを抱える自分ごと、悪いものだと思い込みがち。ストレスを抱える自分をなんとかしないといけないと考えてしまう子も多い」と熊谷養護教諭は分析している。
ワークシートには熊谷養護教諭が返事を書いて返却。目立たないように声をかけ、学級担任の教員とも情報を共有する。
同委員会は2018年度から使用済みのコンタクトレンズの空ケースを回収している。原料が無色で薄いポリプロピレンなのでリサイクルしやすい。同校は東京都の平均値よりも視力の数値が低く、調査では、1日5時間以上テレビを観たり、スマートフォンを使ったりして過ごす生徒が3割ほどいた。そこで目の健康に興味を持ってもらうため、この取組を始めた。
集めたCLの空ケースは「アイシティ eco プロジェクト」に寄付。昨年度は年間で約1万5000個が集まった。「かきくけコンタくんの集めようプロジェクト」という企画で生徒らが自作したオリジナルキャラクターが板橋区の保健所の配付冊子にも掲載され、校外からも注目が集まっている。
来年度以降もこの活動を継続する。熊谷養護教諭は「近隣店舗に回収ボックスを設置させてもらうなど、地域と連携することも考えている」と語った。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年2月15日号掲載