体育館での熱中症対策として、2018年度から継続して毎年2台ずつ大型循環送風機(送風機)を導入しているのは、(学)日本大学第一学園千葉日本大学第一高等学校(村中隆宏校長)。広い体育館内の空気を効果的に循環させるために、最適の設置場所や角度はどこかを探りながら送風機をフル稼働させている。
駅改札口を出ると視界の届く範囲の全てが、日大理工学部や短大のキャンパス。図書館や体育館・研究棟やグラウンド等の学園街らしい光景が広がる。ほぼ南に向かって15分ほど遊歩道に沿ってキャンパスを突っ切ると、千葉日大一高の校舎とグラウンドが目に飛び込んできた。
送風機の置き方を工夫して体育館の広い空間を換気している
「コロナ禍の今年は縮小・省略された部分もあるが、中学・高校それぞれが全校集会、式典で体育館を使用する他、体育の授業や部活動にと体育館の使用頻度は高い。特に近年は厳しい暑さが続いていて、熱中症対策が大切。体育科の教員同士で対策を検討した際に、送風機の情報を得てまず2台を購入。使い勝手が良かったためその後も年間2台ずつ導入している」と、経緯について保健体育科主任・児玉哲平教諭は説明する。
同校第一グラウンドは全面ミスト付き人工芝。暑い時期の屋外での体育授業や部活では、休憩時間のたびに生徒達はここに集まって涼をとる。一方、体育館では通風と換気が重要なため、設置工事等が不要で使いたい場所に移動できる、大風量の送風機が活躍する。
水分補給時は送風機の近くでこまめに休憩
体育館は、式典や主に球技用の上層と体操や柔道に使われる下層との2層構造。訪問した日の上層では男子バスケットボール部が練習に汗を流していた。部活では他にバレーボール部、バトミントン部が使用する。
「それぞれ中・高校、男女の部があるので、ほぼ空きはない状況。送風機の配置や方角を変えたり、半面だけ使う等の工夫をしている。キャスター付きなので女子も動かせる。使い方は教員と生徒で話し合って決めている」(同)という。
同校が導入したのは(株)ナカトミの大型循環送風機「ビッグファン」(BF―125V)。シリーズはファンサイズが直径60cm、75cm、100cm、125cmの4種類。125cm以外は上下の角度調節が可能。いずれも消費電力は50hで1時間あたり約4~15円と経済的だ。
オプション品として安全ネットも提供しているので、児童生徒が不意に指や手が巻き込まれる心配も不要といえる。
▼詳細=https://www.nakatomi-sangyo.com/
問合せ=026・245・3105
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2020年10月19日号掲載
