【1面から続く】「部活動ガイドライン」について「内容まで知っている」保護者は8・1%で、50%以上の保護者は「全く知らなかった」と回答…文化庁がまとめた「文化部活動等の実態調査」で保護者の部活への認識が明らかになった。
調査は今年1月、部活動に参加している全国の中・高校生の保護者で各1万人を対象に、Webによるアンケートで行われた。
教職員の長時間勤務の解消と生徒の心身の健康を守る目的で、スポーツ庁が「運動部活動のガイドライン」(2018年3月)、文化庁が「文化部活動のガイドライン」(同年12月)をそれぞれ策定。週2日以上の休養日を設ける、活動時間を平日2時間・休日3時間程度とする等の内容で、各教育委員会・学校等に周知してきた。
「部活動ガイドライン」についての保護者の認知は低く、「内容まで知っていた」との回答は8・1%、「内容までは知らないが聞いたことはあった」が39・8%。「全く知らなかった」は52・3%で半数以上に上った。
学校教育だけでなく家庭や地域での様々な体験も大切だとされるが、家庭の都合で部活動を休ませることが難しいと言われる。このことについて保護者の1割近い9・3%が「とても休ませづらかった」と回答。「休ませづらかった」と併せて25・8%で約4分の1に上った。一方「休ませづらくなかった」(22・4%)と「全く休ませづらくなかった」(26・3%)も併せて半数近く。「つらかった」合計の約2倍だった。
同ガイドラインは都道府県に「部活動の在り方に関する方針」策定を、区市町村等設置者は「設置する学校に係る部活動の方針」策定を、学校には「学校の部活動に係る活動方針」と「活動計画」の策定とHP等への公表を求めている。同「活動計画」を閲覧した保護者の割合は14・2%で2割に満たなかった。
「部活動は生徒の自主的・自発的な参加で行われる」ことを「知っていた」保護者は64・8%。また「部活動の設置・運営は義務ではなく、学校の判断で実施しない場合もある」ことを「知っていた」保護者は54・9%。共に半数以上だった。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2020年9月21日号掲載