COVID-19の影響を受け、教育機関に対して、各省庁 横須賀港を見下ろす小高い丘の頂近くに、(学)緑ヶ丘学院緑ヶ丘女子中学校・高等学校(大田順子理事長、平田幸夫校長)はある。新体操強豪校として県内外の知名度は高く、2時間以上かけて通学する生徒もみられる。
同学院には熱中症対策のために大型送風機が8台整備され、体育館等で活用されている。2018年度卒業生が記念品として購入、学院に寄贈されたもの。熱中症による人命事故が多発した頃であり、特に学校関係では野外や通風の良くない室内で行う活動等への対策が求められた。
同学院副校長の佐久間隆先生に、導入の経緯を聞いた。
「体育館用にはそれ以前から、寄贈していただいた大型扇風機が4台あったが古くなり、風力も余り強くなかった。体育館の熱中症対策は欠かせないもので、今回、寄贈された大型送風機は大風量なので有意義に活用させてもらっている。すぐに使えて、電気代等コストも抑えられる。体育館には暖房設備はあるが、冷房設備は工事も費用も大がかり、すぐの対応は難しい。今年は学校全体で通風と換気に気を付けている」
8台の大型送風機は分散配置され、体育館に5台、体育室に3台。コロナ禍で休校が続き、6月上旬から短縮・分散登校で再開、通常授業は7月からのため、今年は大型送風機の出番がまだほとんどないという。取材当日、体育館の温湿度計は「注意」レベルだった。
授業以外では朝礼、礼拝、式典等の全校集会で体育館が使われるが、「三密」を避ける今年は、集会を減らしたという。このため大型送風機は体育館準備室に整然と並べられ出番待ちの状態。「使用基準や使い方は担当教員の判断に任せている。4台あるので四隅に配置し、出入り口を開放し空気を循環させている。また部活では2つの部が2台ずつ分ける等の使い方が昨年は多かった」(同)。
一方、各教室の冷房は今年新たに設備を入れ替えたところ。集中管理で従来は各教室での温度設定ができなかったが、今年からはより細かい設定が可能に。感染症予防策のため「冷房中でも教室では休み時間ごとに窓を開けるよう教員が指導している」(同)。
さらに各教室の壁には、同じく過去の卒業生から寄贈された温湿度計が内蔵された時計が設置されている。また、体育館と体育室には熱中症予防のための温度・湿度だけでなく、色分けされて「注意」「危険」等を示す指針の表示が明快な温湿度計が設置されおり、生徒達自身が心掛け、水分補給するなどの安全行動ができる環境を整えている。
昨年同学院に設置されたのは、(株)ナカトミの大型循環送風機「ビッグファン」(BF―75V)。同シリーズにはファンの直径が60cm、75cm、100cm、125cmの4種類あり、予算や目的、環境に応じて選択できる。
いずれのサイズも取手とキャスター付きなので移動が容易。転倒しにくい設計で、上下方向の角度調整も自在(BF―125Vを除く)。家庭用の電源コンセント(単相100V)があればコードを差し込むだけ。特別な工事が不要だからすぐどこででも使えるところが大きなメリット。
モーターはサーマルプロテクター(復帰式過熱保護装置)付き。万一モーターが異常発熱した場合は自動的に停止し、モーター温度が下がると自動的に回転する安全機能が施されている。風量は3段階で調節できる。
▼詳細=https://www.nakatomi-sangyo.com/
問合せ=026・245・3105
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2020年7月20日号掲載