小学校高学年から中学生が多く発症し重症化すると呼吸機能障害などにつながる「脊柱側弯症」は学校検診が義務化されている。日本臓器製薬(株)は、脊柱側弯症健診に活用できる「3Dバックスキャナー」を2月27日に発売した。同製品は(公財)東京都予防医学協会の依頼のもと、慶應義塾大学医学部、同大学理工学部、(株)日本医療機器開発機構、(株)スペースビジョンの産学連携による共同開発で、専門の記録装置や暗室が不要。LED光を使用し、持ち運びや機器操作も容易だ。
脊柱側弯症検診の手法は、学校医による視診・触診が一般的だが、「モアレ法」という検出精度が高い手法もある。
モアレ法では、背部を専用機器で撮影し、肋骨隆起の左右非対称のひずみを等高線として描出する。モアレ法での従来の使用機器は操作に専門性を要するため、全国の検診現場に普及しておらず、十数年前に販売中止となった。そのため現状では評価にばらつきが多いとされる視診・触診で判定する地域も多く、初期症状を見逃す事例も多数報告されている。
慶應義塾大学医学部などは現在、同製品による三次元画像から脊柱配列などをAIで予測する「側弯症診断支援プログラム」を開発している。
問合せ=TEL 06・6222・0441
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2020年3月16日号掲載