3月は年度のまとめで学校評価が終わり、次年度計画の具体化に思いを巡らせる頃。改善点をきちんと組み入れ今年度を踏襲するのがセオリーですが、新しい取組にチャレンジするのも一考です。2つの特色ある給食をご紹介します。
通常給食と異なる料理を用意し、食べ方の指導をしながらフルコースを楽しむ。指導者は管理職、献立は「スープ、パン、サラダ、メインディッシュ、デザート、紅茶」で、ギャルソンに扮した栄養士・調理師が料理を一品一運び、児童は指導者を真似て食べる。方法は、5年あるいは6年生1クラスずつランチルームなどで、給食時間+15分設定で行う。調理作業量や人員配置の都合上、喫食数が少ない日(例:他学年の社会科見学、移動教室等がある日)に計画する。
通常の和食給食に副菜を追加して、和食の作法を学びながら食べる。作法指導はプリントなどを用いて栄養士が担当。お魚マイスターとコラボし「魚の食べ方」に特化するのもよい。献立は「ごはん、汁物、魚料理、煮物、和え物、果物」。
どちらも、必要があれば事前指導を行うこと、専用の食器・テーブルセッティングとメニューカードを用意することで指導効果も上がります。食器は家庭科室から借用するか、食器メーカーの貸し出しを利用するのもよいでしょう。実施後にアンケートや感想を児童から聞き、次年度に活かすことが大切です。
5年男子=今までてき当に食べていたけど、おすましランチで学んだらマナーも大切という事が分かりました。▽とくにおいしかったのはステーキとデザートです。食べ方は少しむずかしかったけど、ふく校長先生が教えてくれたので食べれるようになりました。▽図書室はガラッと変わって本当のレストランの様で、とても良い経験になりました。ちょっとめんどうでやりたくないとも思ったけど、それがマナーなのでしっかりやろうと思います。▽おすましランチはとても将来に役立つと思います。その地域や国などの食事のマナーがわかるからです。国の独特のマナーで食事をしないとばかにされるかもしれないので、とても熱心にやりました。
5年女子=おすましランチはバランスも整っているし、おいしくてマナーも守れるようになれたので、とても良かったです。私はシェフさんのおかげで、元気でいられるのだと思います。▽いつもは出ない紅茶がレストランのかんじです。と中ナプキンが落ちそうになったりしたけどとても楽しかったです。料理の盛り付けがきれいですごかったです。家で話したらお母さんが「いいな~」とうらやましそうでした。▽国によって食べかたがちがうので、習ったように持てばはずかしくないなと思いました。パンがおいしくておかわりしたかったけれど、食べ終わってなかったのでできませんでした。
大留光子=元栄養教諭、現在は順天堂大学・武蔵野専門学校講師
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2020年3月16日号掲載