全国養鱒振興協会は12月5日、東京・千代田区立富士見小学校(霜田浩明校長)で「ニジマス特別授業&特別給食」を実施した。4年生を対象にした授業では児童が積極的にニジマスクイズにも参加したほか、全校児童に提供された学校給食も好評だった。
同校では布川美穂栄養教諭が和食の授業で児童にポスター製作をしてもらうなど、食育に力を入れている。今回の特別授業では、同協会の小堀彰彦会長理事が「ニジマス博士」として登壇し、ニジマスの生態や養殖について解説した。同協会では毎年、小中学校などを対象とした「ニジマス特別授業&特別給食」を実施している。
ニジマスは太平洋サケ属で、シロサケ・ヤマメ・ベニザケ・キングサーモンなども近縁の仲間だ。淡水環境で育ち、冷たくてきれいな水中でしか生きられない。日本では1877年にアメリカから卵が寄贈されたことから養殖を開始。成長期の子供の食材としても最適で、高タンパク質・低カロリーでビタミン群が豊富なほか、DHAも摂取できる。
児童はニジマス博士の話に耳を傾けながら、気になった点や疑問点、感想などをワークシートに記入。「ニジマスが3種類もいることは知らなかった。もっと調べてみたい」「ニジマスの眼をさわってみたらプニプニだった。ヒレはザラザラしていた」「歯はすごくかたい。体はゼリーみたい」など、詳しく書き込まれていた。
当日の学校給食では、同協会から切り身の国産ニジマスが提供された。この日の献立はニジマスのマヨネーズ焼き、わかめご飯、小松菜のお浸し、切干大根のみそ汁、黒糖寒天、牛乳。素早く完食する児童も多く見られた。
塩焼きの魚が苦手な児童もいるため、味付けにも工夫した。ニジマスの味は魚の中でも特に淡泊なので、高学年・教員の給食にのみ調味料を追加。一方、低学年児童の給食では、素材そのままの味付けにした。今回はマヨネーズでの味付けとなった。一度魚を焼いてから、マヨネーズソースを乗せ再び焼くことで、丁度良い焼き加減にした。
「ニジマスは扱いやすい食材。好き嫌いがあって魚や野菜を食べない子供も多いが、味の濃さを調整して調理すると残さず食べてくれる」と大友一也調理師は語った。
授業で紹介されたニジマスの発眼卵は同校に寄付され、数日後に無事に孵化。現在は校内の水槽で元気に泳ぐ稚魚の姿を、児童らが笑顔で見守っている。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2020年2月17日号掲載