学校給食目標7項目の一つに「我が国や各地域の優れた伝統的な食文化についての理解を深めること」があり、「旬の味・行事食を取り入れる」ことと合わせ重要です。献立年間計画には、年中行事や学校行事にちなんだ行事食が毎月組み込まれ児童・生徒もこの給食を楽しみにしています。
三月の行事食は、ひな祭り(桃の節句)や卒業お祝いに関連した給食。ひな祭りの献立は「ちらしずし、うしお汁、菜の花の辛し和え、ひし餅」などが一般的です。給食では「雛御膳」として子供に親しんでもらえるよう工夫しました。
ちらしずしを雛人形にみたて、ごはんで2つの人形を模り、一つは卵焼きの衣をまとわせたおひなさま、もう一つには海苔とチーズをあしらいお内裏様を仕立てて出したところ、児童にたいへん喜ばれました。うしお汁のハマグリは値段が高いのであさりを代用し、デザートはひし餅をヒントにした三色ゼリーや桃ゼリーを出しました。
おひなずしがすんごくおいしかったです。かわいいと思ったし、こんなのが給食にでるなんて驚きました。毎年出るといいなあー。
す”ん”ごくおいしかったですか?よかったです。給食室も総力をあげて作り、お届けした「おひなずし」ですから、喜んでいただけて本当にうれしいです。317人分634個のおひなずし作り、時間がかかりました。教室から「わ~!」という歓声が聞こえ、シェフ(調理師)達と顔を見合わせニンマリしましたよ。
食物選択能力を養う場となるよう考え、バイキング本来の意味と、現在ホテルなどで供される様式などについて説明をした上で、学校でのバイキング給食のマナー(約束)を事前指導します。プリントとフラッシュカードでメニューを紹介し、料理の選び方なども話します。給食後、食べたものを3つの色の食品(栄養)群に分け、感想も記入してもらうことで今後の資料としました。
実施方法=1~6年の学年ごと年間6回。他学年の通常給食に、主食・主菜・副菜・デザートそれぞれ1~3品追加する(汁物と牛乳は共通)。3月は6年生の卒業バイキングとしました。教室外の廊下に料理を配膳、各自料理を選び取ります。
2年男子-今回のバイキング給食は、少しよくばりすぎたけど、きいろ、あか、みどり、共に、バランスよく取れたので、良かったです。4年女子-私はパセリが大の苦手ですが、マナーのところに「苦手なものも食べよう」と書いてあるのを見てゆうきを出して食べました。おいしかったです!また作って下さい。6年男子-ぜんぶの食品を食べた。みどりの食べ物をいしきして食べるようにした。さいごのバイキングたのしかった。6年女子-最後のバイキング給食は、料理もおいしく友達とも楽しく会話して、思い出にずっと残るようなバイキング給食になりました。
大留光子=元栄養教諭、現在は順天堂大学・武蔵野専門学校講師
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2020年2月17日号掲載