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国語への関心「ある」「非常に」が過去最高 国語教育充実にも期待<文科省国語世論調査>

2019年11月18日

国語への関心が「ある」「非常にある」を合わせると76.4%に上り過去最高。また常用漢字表について「知っている」は58.0%で、過去から7ポイント増えた--文化庁は先ごろ「平成30年度『国語に関する世論調査』の結果概要」を公表した。

調査は全国の16歳以上男女(有効サンプル数=1960人)を対象に今年2~3月に行われたもの。国民の国語や言葉への関心、表記等(用語、文体・構成)、読書、表現や慣用句の使い方や理解等について調査した。

国語への期待については「家庭や社会で正しい言葉遣いが行われるようにする」が39.5%で最も高く、「学校での国語の教育をより充実させる」が35.3%だった。前回調査(22年度、11年度)と比べ、「敬語など言葉遣いの標準を決めて、その普及に努める」が6ポイント、「外国人に対する日本語の紹介や教育を充実させる」が4㌽増加した。

官公庁等の「お知らせ」や広報に望むことは「文字の大きさ、字間・行間、レイアウトなどが見やすいこと」と「親しみやすい表現が使われていること」が最も多く、次いで「伝えたい用件や結論が先に書いてあること」、「一つひとつの文が短いこと」など。「です・ます」体と「である」体では6割以上が「です・ます」体が良いと回答。年齢が高いほど「です・ます」体を支持していた。

表現の認知と使用の有無

表現の認知と使用の有無

多かった慣用句の誤用

「“古き良き”時代を懐かしむ」等、どちらかと言えば日常会話ではあまり使わない6つの表現について、「聞いたことがない」、「聞いたことはあるが使うことはない」、「使うことがある」を尋ねている。最も多かった「聞いたことがない」表現は「結果は‘言わずもがな’である」、次いで「議論が“行きつ戻りつ”する」だった(上表参照)。

一方、最も「使うことがある」表現は「“知る人ぞ知る”秘境」、次いで「“古き良き”時代を懐かしむ」、「“招かれざる”客」だった。

「憮然」「御の字」「砂をかむよう」の意味を尋ねたところ、すべて、辞書等で本来の意味とされる意味より違う意味を選んだ人の方が多かった。最も正誤の差が大きかった「憮然」は、本来の意味「失望してぼんやりとしている様子」を選択したのは28.1%だったが、「腹を立てている様子」を選択したのは2倍の56.7%。「砂をかむよう」は、正解「無味乾燥でつまらない様子」(32.1%)より「悔しくてたまらない様子」(56.9%)が多かった。

読書すべき時期は10代

「1か月に大体何冊くらい本を読むか」の項目では、47.3%が1か月に1冊も本を「読まない」と回答した。「1、2冊」37.6%、「3、4冊」8・6%、「5、6冊」「7冊以上」がそれぞれ3.2%。1冊以上読む人の割合は全体の52.6%となった。

「人が最も読書すべき時期はいつ頃だと考えるか」の項目では、「10歳代」が40.7%と最も高い。他は「9歳以下」18.8%、「20歳代」8.7%、「30歳代」2.1%、40歳代以上は10%台で、「年齢に関係なくいつでも」は21.8%だった。過去の調査結果と比較すると、「9歳以下」は増加傾向にある。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2019年11月18日号掲載

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