5月31日に公布された「食品ロスの削減の推進に関する法律」が10月1日から施行された。これを受け、同法が施行された10月は「食品ロス削減月間」、10月30日は「食品ロス削減の日」に指定されている。農林水産省は、消費者庁や環境省と共に、食品ロス削減に向けた取組の普及に着手している。
農林水産省は、昨年度の「地域における食育活動の取組優良事例」として、「平成30年度食料産業・6次産業化交付金 地域での食育の推進事業(食育事例)」において食品ロス削減に貢献した北陸学院大学短期大学部(石川県)と京都府の取組内容をそれぞれ9月24日に公開した。5月31日に公布された「食品ロスの削減の推進に関する法律」が10月1日から施行された。これを受け、同法が施行された10月は「食品ロス削減月間」、10月30日は「食品ロス削減の日」に指定されている。農林水産省は、消費者庁や環境省と共に、食品ロス削減に向けた取組の普及に着手している。
同校の大学生と短大生が調理実習で、環境に配慮した食生活である「エコクッキング」に取り組んだ。
買い物や調理、食事、後片付けの各工程で、食品ロス削減やエネルギーの節約としてどんな工夫ができるかを学生自身が計画し、実践。炊き込みチャーハンやチキンロール、鶏皮の胡麻酢和え、炒肉芹菜など、捨てられていた部位の再利用メニューを考案した。
取組の結果、「新鮮な地元食材を必要量だけ買う」「同じ食材を様々な料理に使う」「捨てる部位の調理の工夫」「食べられる量だけ盛りつける」など、食品ロス削減の方法を学んだ。また、エコクッキングに興味を持つ学生を増やし、若い世代に食品ロス削減の意識を普及させることにもつなげた。
食品ロス削減を府民運動として展開するため、家庭での食品ロス削減の実践につなげるための「食品ロス削減セミナー」や、調理くずや食べ残しを極力出さない「食べきりクッキングレシピ集」を作成し、府内のイベントに活用する取組などを実施した。
セミナーは12回開催。参加した277人は、家庭ですぐに実践できる冷蔵庫の整理方法などを学習。参加者からは「社会貢献にもつながることを知り、冷蔵庫内の片づけのモチベーションにつながった」などの声があがった。
また、中高生向けの食品ロス削減ポスターコンクールを開催。応募総数は178作品となり、ポスター制作を通じて、生徒の食品ロス削減への主体的な行動につなげた。入選作品は展示などで食品ロス削減の普及啓発にも活用した。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2019年10月28日号掲載