文部科学省は10月17日「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」を公表。いじめは54万3933件(前年比12万9555件増)。児童生徒1000人当たりでは40・9件(前年比10・0件増)だった。発見のきっかけで最も多かったのは「アンケート調査」等の学校の取組で、本人の訴え、学級担任等が続いた。件数は2000件余りで少ないが「養護教諭が発見」もみられた。
調査は全国の小学校から高校(いじめは特別支援学校含む)の平成30年度中の問題行動他指導上の課題に関する実態を数値でまとめたもの。
「暴力行為」は7万2940発生した(前年比9615件増)。小・中学校の「長期欠席者」(年間30日以上)は24万39人(同・2万2999人増)、そのうち病気・経済的理由以外の「不登校」が16万4528人(同・2万497人増)。高校「中途退学者」は4万8594人(同・1792人増)。小学校から高校で、学校から報告のあった自殺した児童生徒数は332人(同・82人増)だった。
「いじめ」の認知件数は全体で54万3933件あり、児童生徒1000人当り40・9件(同・10・0件増)。学校数全体では3万49校(同・2227校増)、80・8%の学校に上った。なお現在状況として「解消している」件数は45万8462件(84・3%)だった。
発見のきっかけは、学校・教職員によるものが6割以上。最も多かったのは「アンケート調査など学校の取組」(52・8%)だった。次いで多かったのが「本人からの訴え」(18・3%)で、中・高校では25%近くに上った。また「学級担任が発見」(10・6%)も多くあり、特に特別支援学校では20%で、他校種の2倍だった。
スクールカウンセラー、養護教諭を除く「学級担任以外の教職員が発見」が全体で2・3%だったが、教科担任制になる中学では6・2%で小学校の5倍近く。「養護教諭が発見」の率は0・4%でわずかだが、件数は2123件に上った。
最も多かった「いじめ」の態様は、「冷やかし、脅し、嫌なことを言われる」が62・7%、次いで「軽いぶつかり、遊ぶふりをして叩かれる、蹴られる」が21・4%、「仲間はずれ、集団による無視」が13・6%、「金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする」が5・5%など。
携帯電話の学校持ち込みだが、「パソコンや携帯電話等でひぼう・中傷や嫌なことをされる」は3・0%で多くなかったが、私立校では13・8%に上り突出している。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2019年10月28日号掲載