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学校給食は食育の教材【第54回】スポーツと栄養

2019年9月23日
連載

子供が主体的に取り組める
保護者も巻き込んで成果を

【食育活動】 今回のポイント
  • 対象学年:第6学年
  • 授業日:スポーツ大会の2~3週間前
  • 内容:体力づくりのための生活習慣を含めた食事のあり方と、成長期の基礎体力の重要性
  • 評価:大会という目標が明確にあるので、実践しようとする意欲が見られ、行動評価が得られやすい
パワーポイントで作成した教材のページ

パワーポイントで作成した教材のページ

夏休みも終わり学校が始まりました。この夏は、世界水泳の瀬戸大也選手の金メダルに始まりゴルフは渋野日向子選手の日本勢42年ぶり2人目のメジャー制覇が話題になりました。今月はラグビーW杯、来年は東京オリパラ開催となります。

試合もさることながら、スポーツ栄養・選手の食事管理について興味を持たれる方もおられたでしょう。児童生徒が主体的に取り組みやすいスポーツを通して、給食や食生活との関わりと効果的な栄養摂取について等の授業を行う小・中学校が増えてきました。

そこで筆者が勤務していた江戸川区の教育研究会のグループで実践研究し、発表後継続して実施してきたスポーツ栄養の授業を紹介します。

授業名=<小学校「総合的な学習の時間」行事と関連した食育:地区行事-体育大会-に向けた『スポーツと食事』の指導>。(上の今回のポイント参照)

次のように展開しました。導入で「ファイトクイズ」というワークシートを用いて、スポーツと食事・生活の関連についての興味関心を引き出した後、パワーポイントを使ってワークシートの項目をひとつずつ確認しながら授業を進めました。

スポーツ栄養学的には、スポーツの種類によって筋肉づくり等が違い、摂取が望ましい栄養素も違う面もあるのですが、成長期の児童には、専門的な体づくりよりも基礎体力をいかに作るかが重要と考えます。また、運動中の正しい水分補給のしかたにも触れました。

授業後はワークシートを返却し、授業の内容を家庭で話題にしてもらうとともに、大会までの生活を見守っていただけるよう依頼文も作成し、保護者の感想もお願いしました。児童が生活を改めようとする様子や親子で運動を始めたこと、食事作りに力を入れたとの報告。短期的な取り組みは成果が見られやすく効果があると思いました。

<6年生児童の声>

朝練や放課後の練習をただやるだけでは、結果が出ないと聞いてびっくりした。朝早いので、パン1枚だけ食べて学校へ行っていたのがいけないんだなと思った。ぼくはリレーのアンカーなので、朝ごはんをきちんと食べて、1位を取れるよう練習で走りまくり頑張ろうと思う。給食はいつも通り残さず食べること。

<保護者の声>

授業の話を息子から聞き、バランスの良い食事を朝からきちんと用意しなくてはと反省しました。息子は夜も練習すると張り切るので、どうせ三日坊主だろうとタカをくくっていましたが、頑張って続ける姿に逞しさを感じました。ただ見守るだけでは飽き足らず、私も一緒に走ることにしました。お蔭様でこの2週間、親子関係も良好で、私も健康になりました。感謝しています。


大留光子=元栄養教諭、現在は順天堂大学等で講師の他、学校給食Web「おkayu」のディレクター。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2019年9月23日号掲載

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