来年度から教員の休職者予防を目的とした専門家の派遣が始まります。皆さんの職場では、次のような問題が発生した場合、どう対処していますか?
このような問題は氷山の一角で、学校不信の保護者対応をはじめとして、うまくやって当たり前、何かあったら教員の責任にされてしまう事案が増えています。また、職場の中で発生した問題については、同じ職場の人間だからこそ解決困難な場合があります。そんな折には是非、「教職員メンタルサポートネットワーク協会」にご連絡下さい。以下に協会の概要を説明します。
①緊急要請があった場合を除き、通常は教職員メンタルサポートカウンセラー(MSC)自らが、小中学校を定期的に巡回相談致します。
②午前中は、主に校長や教頭(副校長)、養護教諭等の一人職の先生方との面接を実施します。
③午後は主に放課後、3時以降に学校を訪問して、緊急対応が必要な先生の面接はもとより、何も問題を有していない一般の先生方との「雑談」も実施します。
④面接対象者は、まず本人の希望、次に管理職が新採教員、転勤1年目教員、休職明けの教員、ご家族等を介護中の教員等の中から選定してください。
①まず午前中、管理職がMSCとの面接をして、MSCの実力を確認して頂き、その後、安心して自校教員にご紹介して頂くようにしています。
②面接希望者の中には、自分のためだけにMSCが学校訪問することに抵抗がある方もいます。その方の負担軽減のために、放課後、面接予定の先生方の順番の中に、重篤な方を紛れ込ませることで、安心して面接を受けていただく工夫も行っております。
③特に一般教員との「雑談」においては、メンタル不調の相談のみならず、いかに仕事のモチベーションをあげるか、安心して働ける職場環境作りをいかにして行うか等、ポジティブな面の相談も行っております。結果的に、休職予備軍の早期発見につながっています。
①第3者的な立場から、守秘義務を順守しながら、医療機関や教育委員会との連携がとれる人。
②教職経験が豊富で、かつ心理学の専門性を兼ね備えているので、学校全体も見られてなおかつ教員個々への支援も迅速に行える45歳以上の教職経験者。
③管理職に対する面接経験が豊富で、校長会や研修会等での講演を引き受けられる人。
休職者が一人発生すると、代替教員の給与を含め800万円近くかかるといわれます。ある自治体では、MSC2人の配置で、年間40名以上の休職者予防に成功し、40人分の人件費(約3億円以上)を抑制することに成功しました。
詳しく知りたい方は、左記の連絡先にお問い合わせください。
ddkazuhiro@yahoo.co.jp(教職員メンタルサポートネットワーク協会 代表=順天堂大学・土井一博)
筆者=土井一博(どい・かずひろ)順天堂大学国際教養学部教職課程客員教授、教職員メンタルサポートネットワーク協会代表、埼玉県川口市教育委員会教職員メンタルヘルスチーフカウンセラー
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2019年9月23日号掲載