日本人の伝統的な食文化である「和食」を、未来に生きる子供たちにつなぐため、さまざまな取組が行われている。(一社)和食文化国民会議(伏木亨会長)では、学校や保育園、教育委員会などを通じて、子供たちへの和食文化継承の推進に力を入れている。
その取組の1つが「だしで味わう和食の日」。11月24日の「和食の日」を中心に、学校給食での和食の献立の提供と、和食を通じた食育活動を推進する企画だ。
全国の小・中学校・保育所から参加校・園を募る。2015年の開始以来、参加校・園は年々増加し、昨年度は約8500校、200万人を超える子供たちが参加した。
和食文化国民会議では、家庭において伝統的な和食文化を伝えることが難しくなっているなか、「学校等給食の果たす役割は非常に大きくなっている」としている。
参加校・園はホームページで子供用と教員用の資料をダウンロードして使用できる。なお自治体や教育センターなどが複数校・園で取りまとめた場合、子供用の資料を必要枚数提供される。
和食文化国民会議による、学校に向けたもう1つの取組として、和食に関する「出前授業」がある。「だしの授業」「味噌の授業」「日本茶の授業」「お魚教室」のほか、郷土料理・漬物など、和食の基本や郷土料理を紹介する幅広い23のプログラムが用意されている。企業や団体、地域の郷土料理研究会などが協力しており、全国で実施できる授業も一部ある。各授業が実施可能な地域や対象年齢は、ホームページで確認することができる。
昨年は「和食の日」を前にした11月22日、東京都千代田区立富士見小学校で、出前授業「だしで味わう和食の日」を実施(=写真右)。伏木会長、村田吉弘副会長が授業を行った。
昆布・鰹節・煮干し・干しえび・干したのどぐろなど、20種類を超えるだしの素材を準備。全国各地に、さまざまな素材からだしをとる文化があることを紹介した。給食も和食献立とし、児童が和食に親しめる一日となった。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2019年7月22日号掲載