ユネスコ無形文化遺産に登録され、世界中から注目される和食。すし・和食を学ぶ日本唯一の専門学校、学校法人水野学園東京すし和食調理専門学校(渡辺勝校長)は「第2回 高校生和食料理コンテスト」を開催。3月24日に同校で行われた本選では、福知山淑徳高等学校(京都府)が2連覇を達成。2年生の小牧亜紗さんと大島楓花さんがグランプリに輝いた。
同コンテストは全国の高校生、専修学校高等課程の生徒を対象にオリジナル和食レシピを募集。今回は、春をイメージした「丼ぶり」と「お椀」がテーマ。鯛と山菜(2種以上)、さらに地元の食材を使用することが課題とされた。個人又は2名で、130件の応募の中から選ばれた11校(16名)が本選出場。渡辺校長や銀座小十店主の奥田透氏らが審査した。
渡辺校長は「料理を作る際、最も食べてもらいたい人を思い描く。誰かに食べてもらいたいという思いが料理のおいしさをアップさせる。楽しんで作ってください」と激励した。
持ち時間は準備・片づけを含め120分。完成後のプレゼンでは「ふきのとうを農芸科学科が作った味噌と混ぜて、丼ぶりに乗せた」(大船渡東高等学校)、「鯛のあらを焼いてから出汁をとることでうま味を引き出した」(中村女子高等学校)、「椀物には全国シェア・ナンバーワンの(地元産)ゆり根を使用、筍も入っている」(北海道三笠高等学校)など料理のポイントをアピールした。
福知山淑徳高校は昨年もグランプリを受賞。今回の「鯛と山菜の変わり揚げ天丼と鯛のつみれ潮仕立て」は、山菜をそのまま揚げるのではなく、みじん粉をつけることで華やかさを加えた。鯛は湯葉に包んで揚げてパリッとした食感が楽しめる。見た目も春らしい天丼に仕上がっている。
小牧さんと大島さんは「郷土の食材として生湯葉と報恩寺たけのこを使用した。ポイントは関西ならではの紅ショウガをかき揚げにしたこと。揚げ物の温度調整が難しかったが、今回はうまくできた」と感想。指導した杉本昌之教諭は「実際にたけのこを掘りに行くなど、普段は出来ないことがコンテストを通じて体験したことは大きな収穫だった」と語る。
コンテストの結果は以下の通り(敬称略)。
▽グランプリ=小牧亜紗、大島楓花(福知山淑徳高等学校)▽準グランプリ=下坪晏夕、山田桃果(北海道三笠高等学校)▽全国すし組合連合会賞=片山紫温、元村愛翔(楊志館高等学校)、杉山祐美(中村女子高等学校)▽和食文化国民会議賞=柳下歩夢(岩手県立大船渡東高等学校)▽奥井海生堂賞=中辻智暉(三重県立相可高等学校)、牧原直太朗(岡山県立津山東高等学校)▽にんべん賞=原昌史、小竹夕貴(明成高等学校)
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2019年4月22日号掲載