今年度の本連載は、季節の食育活動を紹介するとともに、活動にまつわる児童の感想やつぶやき・声なども取り上げていきます。皆さんが活動に取り組むうえでのヒントになれば幸いです。
さて4~5月の代表的な食育活動といえば「グリンピースのさやむき」。これは、家庭では体験することが少なくなった生活体験を、生活科の時間との連携で行っていた活動の一つです。
実施計画は食育年間計画に組み込み、年度当初に1・2学年の担任と打ち合わせをします。実施日は、4月の献立立案時に八百屋さんと相談して、納入時期を把握したうえで決めます。
「グリンピースごはん」当日の1校時に活動を設定する必要があります。給食室ともよく打ち合わせを行い、何時までにむき終わればよいかの目安を立てます。
教室で児童がさやむき(豆とり)をするのですが、せっかくの機会なので、よく観察して絵を描いたり、豆の数を数えたり、体験した感想を書いたりできるよう、ゆとりを持たせるようにしました。担任の裁量により算数の「数の数え方」そのままを、豆数えに生かしたクラスもありました。
当日は、むき方や観察の仕方などを担任と分担して指導しますが、事前指導の有無を検討して、資料などを用意すると喜ばれます。
本活動のポイントは、その食品に親しんでもらい、興味関心を引き出すこと。給食づくりの一端に参加することで、偏食是正につなげることなどです。見るだけではなく触れるなどの「体験」と「観察」は、貴重な食歴となるでしょう。
グリンピースは苦手な食べものの一つと答える子供も多いですが、こういった体験活動を取り入れることで、少しずつですが苦手克服に繋がっているように思います。
大留光子=昭和53年より東京都内4区を経て平成21年度に栄養教諭として江戸川区に勤務。25年3月退職。現在は、順天堂大学、武蔵野栄養専門学校講師の他、学校給食Web「おkayu(https://www.okayu.biz/)」のディレクターを務める。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2019年4月22日号掲載