「職員室の先輩方に、どのように話しかけたらいいかわからない」、「保護者に対する電話の応対が不安」…。新採教員の中には、その場で言葉がとっさに出てこないために、緊張の日々を送っている人も多いようです。
そこで今回は、老婆心ながら、新年度のこの時期だからこそ確認しておきたい、新採教員の「職員室における立ち居振る舞いのスキル」について考えてみたいと思います。
Ⅰ.日常場面でよく使用する言葉遣いについて、着実に実行できるようにしましょう。なお、不安な人ほどノートや手帳に書き留める習慣をお勧めします。
【電話確認メモ】
1: 月 日 時 分 2:電話の相手 3:電話の内容 4:今後の対応 |
Ⅱ.口頭で指示や連絡を受ける際にも、できるだけメモをとり、わからないことがあればその場で確認する習慣をつけましょう。ここでは、電話応対時の確認事項を例に取り上げます。
(電話のそばに、以下の項目を印刷したメモ用紙を置いておくと便利です)
Ⅲ.電話で相手の話す内容が自分では理解できない場合には「確認して折り返します」と一旦電話を切るか、「いま責任者に代わります」と管理職や学年主任に代わってもらうことです。
※保護者に電話をする際に心配な場合は、できるだけ主任や先輩にも一緒に聞いてもらいましょう。
Ⅳ.相手の都合も考えないで、自分の話したいことを一方的に話し続けるのも厳禁です。話を続けてよいかどうかは、相手の次のようなサイン (表情や態度)で判断しましょう。
Ⅴ.接遇(外部からの来客や保護者が来校する際)の際の対応をできるだけ早く覚えましょう。その場に即した(挨拶などの)段取り・準備するもの・言葉遣い・服装等にも十分に注意しましょう。
Ⅵ.若手教員の中には、「先輩のおっしゃることはよくわかるのですが、私には私のやり方が…」と、自分の価値観を絶対視して先輩の助言を受け入れない人がいます。自分の考えや信念を持つことは大切なことですが、度が過ぎると独善的になったり、行き過ぎた正義感となったり、気が付けばいつの間にか職場の中で孤立していたとならないように気をつけましょう。
筆者=土井一博(どい・かずひろ)順天堂大学国際教養学部教職課程客員教授、日本教職員メンタルヘルスカウンセラー協会理事長、埼玉県川口市教育委員会教職員メンタルヘルスチーフカウンセラー
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2019年4月22日号掲載