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学校給食は食育の教材【第47回】伝統文化を伝える和風献立

2018年11月19日
連載

「煮物」は地域色を反映
今月の献立 「いかと大根の煮もの」

「いかと大根の煮もの」

「いかと大根の煮もの」

<作り方(1人分)>

  1. 大根(面取り)80gは厚め(1㎝程度)の半月切りにする。鍋に大根とかぶるくらいの水(または、米のとぎ汁)を入れ火にかける。煮立ったらザルにあげ、冷水でさっと洗う。里芋40gは、ひと口大に切り水から煮てぬるま湯に取り、ぬめりを取っておく。あさつき5gは小口切りにする。
  2. イカ30gは1㎝幅短冊または輪切りにする。ゲソ(脚の部分)は3~4㎝の長さに切る。
  3. かつお節と昆布でだしをとり、大根、イカ、里芋に加える。酒・砂糖・塩・しょうゆで煮含める。
  4. 材料が柔らかくなったら、みりんとアサツキを加え仕上げる。

<全国各地の郷土料理を取り上げ紹介>

伝統文化を伝える料理といえば「郷土料理」でしょう。学校給食では地産地消に重きを置くと同時に、全国各地の郷土料理を取り上げ提供することにより伝統文化の重要性を児童生徒に伝える取り組みをしています。数々の郷土料理の中でも、「煮物」は各地の特色が色濃く出ていますが、給食でもなじみがあるものが多くあります。福岡県の「がめ煮(筑前煮または、いりどり)」、広島県の「煮ごめ」、石川県の「治部煮」、富山県の「ぶり大根」などです。今回紹介する煮物は秋の給食メニューのひとつで、もともとは岩手県普代村で昔から漁家の食卓での定番イカ料理で、イカの旨味がたっぷりと染み込んだ一般家庭でも広く普及している一品です。

調理のポイント

地元では、イカのワタも好みに応じて量を加減して(入れすぎるとくどい味になる)一緒に煮るそうで、味つけには、臭み抜きとしてみそを加えるようです。給食では、主菜とするため干ししいたけ、にんじん、絹さやを足しています。ゲソを加えると味に深みが出るのですが、児童にあまり人気がないのでリング(胴体部分)のみ利用することが多いです。リングは煮すぎないことがポイントなので、別煮にして煮物の方にはゲソを使って味出ししたこともあります。

11月(秋)の献立例「きのこごはん、牛乳、いかと大根の煮もの、おひたし、さつまるくん」

<児童の声>2006年「ぱくぱくノート」より

きょうはふるさとメニューでした。わたしは、イカがあまり好きではないので減らしました。でも、煮物はとてもおいしかったです。肉じゃがや筑前煮とは違った味がしました。イカの味?きらいなのに…。だとしたら食べれることになるのかな。今度イカが出たら、減らさないで食べてみようと思います。〈表記は原文のママ〉


大留光子=昭和53年より東京都内4区を経て平成21年度に栄養教諭として江戸川区に勤務。25年3月退職。現在は、順天堂大学、武蔵野栄養専門学校講師の他、学校給食Web「おkayu(https://www.okayu.biz/)」のディレクターを務める。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年11月19日号掲載

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