(株)フジッコと加賀味噌の老舗商店である(株)ヤマト醤油味噌が共同し、小学生を対象とした特別授業「大豆パワーと味の実験室」を8月、2回にわたって開催。豆離れが進む子供たちに向けて、醤油や味噌などに利用される大豆の魅力を伝えた。
第2回目は8月22日、天恩山五百羅漢寺(東京都目黒区)で開催した。参加者は、小学4~6年生の子供と保護者10組。
「まめものしり博士」として登壇したフジッコ開発本部の難波文男氏は、大豆の成長過程や使用用途、他国での使用状況など、理科・社会科・家庭科に通じるテーマで講義。マメ科の植物は根に根粒菌を持っていること、使用用途によって豆の品種が使い分けられていること、欧米諸国では主に油に利用されていることなどを、グラフや図を用いて分かりやすく説明した。自由研究を目的に参加した子供もおり、熱心にメモを取ったり挙手をする姿が見られた。
大豆の講義後は、ヤマト醤油味噌の四代目当主 山本晴一氏が「みそものしり博士」となって、味噌の仕込みを指南。米麹に食塩、大豆、少量の味噌を加える作業を体験した。子供たちは仕込み前に大豆と米麹を試食し、それぞれの味を確認。初めて味わう米麹の味に戸惑う様子を見て、山本氏は「麹菌は目に見えない“ハサミ”を持っていて、大豆を切って味噌に変える働きがある」と、発酵の仕組みを説明した。
仕込み作業では、大豆を細かく潰すのに苦戦する場面も見られたが、山本氏らのサポートを受けて楽しみながら体験していた。仕込んだ味噌の完成は半年後。主催者らは「自宅に持ち帰り継続的に観察することが『自分の味噌を育てる』という貴重な経験になる」と考えている。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年9月17日号掲載