大塚製薬(株)は子供の食育を目的とした学習型レシピアプリ「おいしいおえかきSketch Cook(スケッチクック)」をグーグル(株)、楽天(株)との連携により開発。5月からiOS やAndroidTM端末向けに配信をスタートした。9月5日には江戸川区立東小松川小学校(東京都)で体験授業が実施された。
スケッチクックは、子供が描いた料理の絵をカメラで読み取り、AIテクノロジーを活用してメニューとして判別する。メニューは画像生成技術「pix2pix」で実物感のある画像に変換され、レシピと栄養素などを表示。足りない栄養を補う食べ合わせのレシピも紹介され、楽しみながら栄養バランスを学べる内容となっている。提案されるレシピは、楽天が運営するサイト「楽天レシピ」から提出されたもの。クラウドサービスである「Google Cloud Platform」を採用し、認識・解析の高速処理が実現した。
体験授業は5年生の家庭科で実施した。子供たちは同社の管理栄養士である西村小涼氏から栄養バランスについて説明を受け、班ごとに分かれてタブレットを操作。ハンバーグ、からあげ、エビフライのうちから1つを選んで描いた。絵が画面に表示された枠に収まるようにタブレットをかざすと、画像がくるくると回って料理に変身。各班から嬉しそうな声が挙がった。提案されるレシピは、5大栄養素のグループで整理されており、複数の候補から選択できる。バランスのとれた食事にするため、班で話し合ってメニューの組み合わせを考えた。
担任の板井真夏教諭は授業を振り返り、「子供たちが楽しそうに学んでいたのが印象的だった。家庭でも取り組んでくれると思う」と感想を話した。
同社は昨年12月~3月、全国の小学生の子供を持つ女性を対象に「子供の食生活に関する調査」、「親子のコミュニケーション調査」を実施した。その結果、平日に親子で過ごす時間は平均2時間4分で、平均以下の家庭は平均以上の家庭と比べて「日々の献立について子供と話す」「食事の栄養に関する話題を子供と話す」などの食育コミュニケーションが不足していることが分かった。一方で、保護者の8割以上は子供と「栄養について話したい」「一緒に料理をしたい」と答えている。
同社はスケッチクックを親子で栄養を学ぶきっかけにしたいと考えている。公式サイトでは、アプリの使い方動画とアプリに連動した絵描き歌「スケッチクックのうた」を配信している。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年9月17日号掲載