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学校施設

「学校における医療的ケアの実施に関する検討会議」中間まとめ<文科省>

2018年7月23日

養護教諭は環境整備を

文部科学省では、昨年10月に「学校における医療的ケアの実施に関する検討会議」を設置し、学校で医療的ケアを実施する際の基本的な考え方・留意点等を検討してきた。今年5月に行われた第5回会議を終えて、同省は6月に中間まとめを発表。教育委員会の管理体制や学校の実施体制の在り方を示した。

役割を明確化させて関係者の連携を強化

中間まとめでは、学校(管理職・全教職員・養護教諭)、教委、主治医、学校医、看護師、保護者の標準的な役割分担例を整理した。

教委には医療的ケアに係るガイドライン等の策定、医療的ケア運営協議会の設置・運営、学校医・医療的ケア指導医の委嘱、看護師や教職員の研修・養成、保護者や医療関係者に向けた医療的ケア実施体制の周知など、統括的な管理体制の整備を提示。運営協議会では、在宅医療や医療的ケアに精通し学校環境にも理解のある医師や看護師を構成員に加える(または指導・助言を得る)ことも医学的な視点を踏まえる上で有効とした。

各学校の管理職には、医療的ケア安全委員会の設置・運営、各教職員の役割分担の明確化などが求められ、全教職員には、看護師や認定特定行為業務従事者である教職員との情報共有、緊急時のマニュアル作成への協力などが挙げられた。

養護教諭には、医療的ケアを円滑に行うための部屋の準備、備品の管理、外部との交渉など、主に環境整備の役割が求められる。

今後は看護師が学校において医療的ケアに対応するための、研修機会の充実に向けて議論していく。

小中・特別支援学校で看護師数は増加傾向

少子化により学校の児童生徒数が減少する中、医療的ケアを必要とする子供の割合は増加傾向にある。

加えて、必要とされる医療的ケアの内容は複雑化し、より熟練を要するようになった。

文科省は昨年5月、全国の公立小中学校・特別支援学校を対象に「平成29年度特別支援学校等の医療的ケアに関する調査」を実施した。その結果、日常的に医療的ケアが必要な幼児児童生徒数は、特別支援学校で8218名(636校)、小中学校で858名在籍していることが分かった。特別支援学校は平成18年度の5901名から増加傾向にあり、小中学校は平成24年度の838名とほぼ同水準。

一方、医療的ケアに携わる看護師数は、特別支援学校が1807名(平成28年度は1665名)、小中学校が553名(平成28年度は420名)と共に増加傾向となっている。

医療的ケア件数は、特別支援学校で延べ2万6883件、公立の小中学校で延べ1248件必要とされている。行為別にみると、たんの吸引等呼吸器関係が特別支援学校で68%、小中学校で48・3%と、共に最も多い割合となった。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年7月23日号掲載

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