(一社)和食文化国民会議(伏木亨会長)では、11月24日の「和食の日」を中心に、学校給食における和食の提供を推進し、和食に触れる取組「だしで味わう和食の日」を実施している。全国の小中学校・保育所等が和食献立を提供し、食育指導をするというものだ。参加校には児童生徒・保護者用の配布資料を提供しており、教員用の指導資料についてはHPからもダウンロードできる。
昨年は、「和食の日」当日に港区立港南小学校(東京都)の5年生を対象に出前授業「だしで味わう和食の日」を実施した。授業には、伏木亨会長、村田吉弘副会長が登壇し、同区教委・農林水産省との連携により、和食の基本である〝だし〟の素晴らしさを伝えた。
村田副会長は築地から仕入れた昆布・鰹節・煮干し・干しえび・干したのどぐろなど20種類を超えるだし素材を家庭科室に準備。全国各地に様々な素材からだしをとる文化があることを説明し、料亭・菊乃井の一番だしを提供した。児童らは初めて見る珍しいだし素材に触れ、興味津々。
頭とはらわたを取り除いた煮干しを使って味噌汁も提供され、児童からは「おいしい」と口々に感想が聞かれた。この日の給食では、目鯛の和風餡かけや和風仕立てサラダ、さつまいもご飯など、だしが味わえるメニューを提供しており、全校児童が本格的な和食を味わった。授業を受講した児童は和食器で伏木会長らと喫食。給食のメニュー考案や、和食器を使った食事マナーの事前指導などを行った椎野清美栄養教諭は「児童に〝本物の味〟に触れさせることができた」と成果を語った。
和食文化国民会議では、同日に全国の小学校3校で同様の出前授業を実施した。今年度も「和食の日」に合わせて開催を予定している(今年の11月24日は、土曜日の為、11月22日または、11月中の任意の一日)。
昨年は一昨年の2倍、約6500校(157万人)が参加した。参加校の大半は、自治体や給食センターの取りまとめで参加している。今年度からは従来の農林水産省に加え文部科学省からも後援を得て、県や市区町村の教委への周知拡大を図っている。
さらに、HPに会員による出前授業の案内を掲載し、昨年以上に充実させている。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年7月23日号掲載