いよいよ年度末となりました。職場を異動される方もいらっしゃることと思いますが、年度末整理と新年度準備に追われる3月。体力勝負で頑張っていきましょう。
さて今号は、大事な新年度スタートの4月に取り入れたい献立(料理)を紹介したいと思います。
3月に続き「春」をイメージした料理を取り入れることと、季節の食材を使うことを意識した献立をご紹介します。新入生には学校給食に早く慣れてもらうために、食べやすく馴染のある料理を前半に組み入れる、また独自給食のPRも忘れずに。
『山菜うどん』:「春の皿には苦味を盛れ」ということわざ通り、山菜を使った料理を入れますが、子供は苦手な食材なので比較的食べやすいうどんにしました。
『ふきみそ』:学校の裏庭にも顔を見せるふきは山菜の仲間。案外身近な食材であり、国語の教科書(2年)にも「ふきのとう」として登場します。そこで、北海道の親戚からラワン蕗のフキノトウを送ってもらい、国語の教材として活用した後、給食に出しました。
『たけのこごはん』:年に一度登場する人気の献立のひとつです。皮つきたけのこを給食室でゆでて使います。ゆで立ての「たけのこ」を使ったごはんは本当に美味しく、子供たちにもこの味が伝わり残菜はいつもゼロでした。30年くらい前は5月に登場していました。
『いちごビスキュイ』:ビスキュイパンの春いちごバージョンです。ピンク色を出すために食紅を調整したり、ビーツの缶汁を使ったりしましたが、ピンク色にこだわらず最終的にはいちごジャムを混ぜることにし、縦半分に切ったいちごを乗せて焼きました。いちごをきれいに焼き上げるために、試行錯誤した結果、途中で乗せるなどの工夫が必要でした。
『花見ずし』:花おすしの素やゆかりなどを使い、飯を淡いピンクに染めるのがポイント。
『菜の花ずし・ごはん』:菜の花をイメージとして、黄色の炒り卵を飯の上にあしらい、混ぜる具に菜花を用います。
『深川めし』:潮干狩りが始まるこの時期に、東京深川の名物料理で知られる、あさりを使ったごはんはどうでしょう。
『春キャベツのスープ』:年に何回か旬を迎える野菜があります、キャベツもその1つです。季節の名を冠した料理名にすることで、旬を強調できますね。
新1年生を迎え特に心がけていたことは、アレルギー児への対応です。給食室が代替食や除去食を作っていることを理解し感謝する気持ちを育てることをめざし、登校時の給食室訪問を促しました。その日の給食対応を児童自らが確認すると同時に、給食室は出欠を確認できます。
魚介類(鰆・たい・メバル・まだこ・あさり)
野菜類他(明日葉・アスパラガス・うど・わらび・のびる・こごみ・せり・ふき・タラの芽・たけのこ・かぶ・キャベツ・セロリ・牛蒡・グリンピース・さやえんどう・玉ねぎ・にら・パセリ・三つ葉・レタス・わけぎ・木耳・しいたけ・ひじき・わかめ・もずく)
くだもの(甘夏・イチゴ・キウイ・デコポン)
大留光子=昭和53年より東京都内4区を経て平成21年度に栄養教諭として江戸川区に勤務。25年3月退職。現在は、順天堂大学、武蔵野栄養専門学校講師の他、学校給食Web「おkayu(www.okayu.biz/)」のディレクターを務める。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年3月19日号掲載