学年末は学校にとっては大変あわただしい時期であります。各学年の集大成で教職員は学習面、生徒指導面、クラス経営、学年経営等、今年度の反省、振り返り見直しをし、子どもたちの成長をチェックして来年度につなげる評価を行います。校長、教頭は学校経営・学校運営についても自身の評価を行うことが重要となってきます。
更に学校全体の評価としてそれぞれの職員が行った評価は、全教職員の共通理解のもとで協議検討して、その評価を来年度の当該学校の教育活動の指針として管理職である校長が参考にしていくことが一般的な方法だと思います。
このように学年末はその年度の反省検証、更に来年度への準備等、教職員は言うに及ばず管理職は学校評価や来年度の人事に基づいた学校経営の構想を練っていく作業を行います。
自校の人事異動者、他からくる転任教員をどのように配置し来年度の体制を整えスタートさせていくのか、校長として配慮していくことは多々あります。
ここでは管理職として転任教職員のメンタルヘルスという視点で捉えてみますが、いくつか配慮する事項が考えられます。
教職員の人事異動は新年度の組織作りにとって重要で、それは管理職の学校経営・学校運営を大きく左右するものでもあります。これらの視点から年度末の人事異動の内示を受けて、年度初めの組織づくりの構想を練る際には特に転任教員へのメンタルヘルスの配慮が肝要であります。
転任教員の情報の把握 | どの校務分掌を任せられるかを検討する 学年主任等は既在籍教員を抜擢する |
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横一線でのスタート | 校長の姿勢として意思を伝える 全職員新たなスタートで不安感を払しょく |
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仲間として迎える配慮 | 仲間として温かく迎える環境づくりをする お互いに話す機会なども取り入れて |
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新任教員への配慮 | メンター制度を導入、安心感をもたせる 新任教員への最初の配慮は人間関係 |
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声かけ・定期的な面談 | 意図的な声掛けを行い安心感を与える 対管理職としての関係ではなく |
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仕事ぶりから様子を点検 | 声掛けと同時に仕事のアドバイスを行う 仕事ぶりなど様子を点検する |
筆者=坂本大典(さかもと・だいすけ)現日本教職員メンタルヘルスカウンセラー協会顧問、元東邦音楽大学准教授、元川口市教育委員会学校教育部長
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年3月19日号掲載