今年度の給食も来月で終了ですが、卒業生向けの「お祝い給食」はもうお決まりですか。お祝いすると同時にお楽しみの要素も必要で、悩むところですね。本号ではそのヒントを紹介しましょう。
お祝い事には「お赤飯」が定番です。子供には人気がないようですが、伝統文化を伝えたいと考え、次のような献立を考えました。
小学校では、3月上旬に行われる児童会活動「6年生を送る会」当日に交流給食を実施し、各学級に6年生を招いてそれぞれ工夫を凝らしたおもてなしをしました。学校によっては「6年生ご卒業お祝い弁当」を作ることもありますね。お弁当箱の経費や作業面等から、私はお弁当にせず配食しやすい献立にしました。
年度末の3月は、お楽しみ給食を取り入れる学校が多いと思います。卒業生にリクエストを募り、人気の高い料理を組み合わせるのもいいですね。全学年からのリクエストも含め、6年生だけ特別メニューにしたり、特別バイキングで対応したこともありました。
食育の集大成として6年生にアンケートをとり、給食で学んだことや心に残るエピソードを聞いたことがあります。
「旬の味を知った」「プール開きのマリンゼリーのさくらんぼがかわいかった」「秋の吹き寄せ栗ごはんが愉しみだった」等、日々の給食を楽しみにしていたことが伝わる文面にほっとしたものです。また、給食当番での失敗や給食室との関わりについての書き込みもあり、心の成長や感謝・思いやりの気持ちの芽生えを確認することができました。ぜひ実施してみてほしいと思います。注意点としては、卒業式を控え多忙を極める6年生なので、事前に実施の意図を学年主任に説明し、アンケート内容を提示、実施日等を検討してもらうことが大切です。
学校生活の思い出の1ページに、素敵な給食が残ることを願っています。
大留光子=昭和53年より東京都内4区を経て平成21年度に栄養教諭として江戸川区に勤務。25年3月退職。現在は、順天堂大学、武蔵野栄養専門学校講師の他、学校給食Web「おkayu(www.okayu.biz/)」のディレクターを務める。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年2月19日号掲載