体育大会に向けて- メンチカツの給食 |
秋の風が吹き、虫の声に季節の変わり目を感じます。これからいろいろな食べものが美味しくなっていく季節ですが、台風や大雨の影響で収穫前に大打撃を受け、入荷不能や品薄に加えて価格の高騰が心配され、担当者の方々の苦労がしのばれます。
苦労と言えば、給食室の人間関係に悩まれている方も多いのではないでしょうか。栄養士と調理師、立場の違いから生じる様々な問題があるようです。
給食は、児童生徒だけでなく教職員も食べます。その関係もあり、とかく耳に入るのは大人の声で、その言葉に一喜一憂することになります。誰のための給食かを認識することが必要です。
授業で皮むきを体験後、 野菜を調理師に届ける |
栄養士が仲立ちするのではなく、例えば、さやむきしたグリンピースや皮むきしたとうもろこしを子供たちに届けさせたり、給食室に設置したお便りポストを通して子供からの手紙が届くようにするなど、積極的に子供との関わりを持ちましょう。
共通理解が図れるよう努力することは大切ですが、立場が違えば思いも違うわけで「共通」とばかりはいきません。それぞれの立場を理解し尊重することー『相互理解』が必要なのです。わかっていると伝えることも重要です。
相互理解の次は、立場・意見を尊重し認めることです。お互いを認め合う環境を作るためには、まず、自らお手本を示すことです。
関係がこじれている時は、どうしても耳にする言葉は「文句」と捉えがちです。『意見』と解釈して、時には採用してみるのも一計でしょう。自分ばかりが正しいとは限らないのですから。
調理師さんとのチームワークで おいしい給食を提供する |
調理師さんが表舞台に立つことが少ないのは、給食調理に集中しなくてはならない仕事事情にあります。そんな中でも食育授業や給食時間に直接給食づくりの大変さやその思いを伝えてもらうことは食べることへの興味や感謝の気持ちを育てることに繋がります。
調理師さんとの思い出を振り返ると、1年生の給食指導で寸劇を披露してくれたこと、給食試食会で保護者の方々から質問攻めにあったが、きちんと答えてくれたこと、「調理師さんが考えた献立」では2チームに分かれてセレクト給食を作ってくれたこと等が浮かびます。給食づくりはチームワークが大切ということを痛感しています。
大留光子=昭和53年より東京都内4区を経て平成21年度に栄養教諭として江戸川区に勤務。25年3月退職。現在は、学校給食研究改善協会調理講師の他、学校給食Web(www.okayu.biz/)」のディレクターを務める。
【2016年10月17日号】