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学校施設

第31回【教職員のメンタルヘルス】セルフコントロール(1) 教員のライフスタイル

2016年8月15日
連載

リラクゼーション法の実践で日常的なセルフケアを習慣に

「今のあなたの体調や心のコンディションはベストな状態でしょうか」

そもそも、体調や心のコンディションを整えるための、よい処方箋とは何でしょうか。「まずは、規則正しい生活習慣を心がけることが大切だ」と考える方も多いと思います。睡眠、食事、入浴の時間や質などもそのキーワードです。

しかし、学校現場の多忙な生活の中で規則正しい生活を維持することは意外と難しいものです。深夜まで職員室に残っている先生も珍しくありません。

体調や心のコンディションの状態が悪いと、先生自身が辛いばかりか、子供や保護者への関わりにも影響を及ぼし、さらなる悪循環に陥ってしまいます。

そこで今回は簡単に実践できる処方箋として、リラクゼーション法を紹介します。

1.呼吸イメージ法

人は、精神的にストレスフルな状態にある時に呼吸が浅く早くなります。浅く早い呼吸は交感神経を優位にし、さらにストレスフルな状態を悪化させる要因になります。それでは、その悪循環から脱出してみましょう。

①はじめに自分の感じるストレスの『形と色』をイメージしてみます(例黒い星のような形)②楽な姿勢で静かに目をつぶります。③深くゆっくりとした呼吸を10回繰り返します。④息を吐くたびに、そのストレスが心身から抜けていく様子をイメージします。

2.筋弛緩法

リラクゼーション法図

あなたの周りにいつも肩に力が入っている人はいませんか。人は緊張状態にある時に無意識に肩に力が入り、歯を食いしばりがちになります。これが慢性化していつも肩や顎に力が入っていると、肩や首の慢性的なコリに繋がります。

さらに重症化すると自律神経失調症やうつ病の引き金になることもあります。そこで首や肩の筋肉を緩める方法を紹介します。

①図1の様に息を吸いながら肩を耳たぶの近くまで持ち上げ、数秒間静止します。その時に肩や首に力が入っていることを意識しましょう。②図2の様に息を吐きながら一気にストンと肩を下げましょう。③脱力した状態でしばらくその感触を味わってください。④これを数回繰り返します。いきなり「力を抜いてください」と言われてもなかなか抜きにくいものですが、緊張と弛緩の感触の違いを味わうプロセスを通じて、力は抜きやすくなります。

歯を食いしばる癖のある方は、意識して顎の筋肉を緩めてみましょう。少し口が開く感じになればオッケーです。

姿勢も大切です。猫背は胃腸に負担をかけ、疲労の原因にもなります。意識して胸を張り背中の肩甲骨を近づけることを意識してみましょう。

肩甲骨の周辺は自律神経に関係した部位です。左右の肩甲骨を近づけたり、肩を回したりして、肩甲骨周りの血流を良くすると自律神経を整えリラックスした状態になります。

今回ご紹介した方法は、ちょっとした休憩時間や授業や会議の合間に短時間で何処でも実施できる方法です。簡単に身体と心を癒すことができ、効果もかなり期待できます。ぜひ日常の中のセルフケアとして習慣的に実施してみてください。

執筆=鈴木隆広(すずき・たかひろ)日本教職員メンタルヘルスカウンセラー協会会長・神奈川県教育委員会スクールカウンセラーアドバイザー等

【2016年8月15日号】

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