「十五夜給食(行事食)」さんまの
かば焼き丼、牛乳、吉野汁、お浸 し、お月見団子 |
給食や食に関して保護者と最も情報交換の出来る場に、「給食試食会」があります。
学校主催の場合とPTAの委員会主催の場合があります。学校が主催する場合は、「給食への理解を深めてもらう」ことが目的となります。PTAが主催する場合は、「給食の何を見たいのか、知りたいのか」がポイントとなります。
学校によっては食器の数が限られているので、どこかの学年が遠足や社会科見学などに出かける日に設定することもあります。また、参加しやすいように他の行事と重なるのを避け、間も開けるようにします。
ランチルームでの試食会 |
目的やポイントを考慮して、時間配分も含めて当日のスケジュールを考えます。基本パターンは主催者のあいさつに始まり、給食参観・試食が中心となりますが、給食主任や栄養教諭・学校栄養職員(以下、栄養士)の話(講話)や給食調理員の紹介を入れることもあります。全体的に1~2時間くらいに収まるようにすると、参加しやすいようです。
どちらの主催でも、献立は栄養士が中心となって考えます。PTA主催の場合は、献立のリクエストなどがあるようでしたら栄養士に相談しましょう。
子供の人気メニューや、子供に食べさせたい食品を使った料理、行事食、旬の味など家庭の食事へのヒントとなるものや、保護者にも伝えたい伝統食などでもいいですね。
当日の給食献立を中心に児童・生徒の食事のポイント、学校と家庭で進める食育について、栄養学・衛生等のトピックスなどを盛り込むとよいでしょう。
主催者がPTAの場合は、栄養士に原稿を依頼して編集、作成を行うという方法もあります。
参加者の感想などのアンケートを取り、集計して次回の試食会の参考としましょう。
それでは、私が実施した具体的な事例をご紹介します。1学期には、学校主催の「1年生保護者対象の試食会」にて、栄養士の話(心と体を育てる給食)・参観・試食・調理員との懇談会という流れで実施しました。2学期のPTA主催による「全校対象の試食会」では、栄養士の話と体験活動(1日に摂取したい350グラムの野菜の量を把握する)・参観・試食・調理員紹介を行いました。
PTA主催の場合は担当者と話し合いを持ち、「給食のことがわかって、楽しく交流、おいしく食べて明日に生かそう」をテーマに、保護者が中心となって企画立案していきます。栄養士はアドバイザーに徹することも重要です。
給食試食会が、食育と交流の場になることを願っています。
大留光子=昭和53年より東京都内4区を経て平成21年度に栄養教諭として江戸川区に勤務。25年3月退職。現在は、学校給食研究改善協会調理講師の他、学校給食Web「おkayu(www.okayu.biz/)」のディレクターを務める。
【2015年8月17日号】