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学校給食は食育の教材【第8回】中学校での取り組み(2)

2015年1月1日
連載

委員会活動で生徒の自由な発想を育む

「中学校での取り組み(1)(平成26年10月20日号)」では、小学校と中学校の違いを中心に、中学校での食育の取り組みとして、地区の栄養士が一丸となって「食に関する指導」を協力・教授している事例を紹介しました。

今回は食育における「中学生との向き合い方」と、生徒が最も深い関わりを持って食育に取り組める「委員会活動」の実践事例を取り上げます。

生徒とどう向き合うか

■打てば響く中学生

多くの指示を与えるのではなく、発想につなげるきっかけを提示することが重要です。そうすることによって自ら課題を見つけ取り組むことができるのが中学生です。

■「個」を認めてほしい年代

生徒をひとくくりに見るのではなく、それぞれの個性を重視するように接することで、対応が円滑になります。

■自主性と創造性を重んじる

一人ひとりの「考える力」に光を当て、輝いている部分を引き出してあげる努力をしてください。

このように、中学生との対応は上下関係を感じさせることなく、一緒に取り組む姿勢を見せることで、円滑な活動を営むことができると、関わった栄養士たちは口をえます。

その活動の代表的なものが委員会活動でしょう。

委員会活動で力を発揮

給食委員会活動内容
前期スローガン「Enjoy school lunch」
「楽しい給食」をめざして、40分配膳を実行します。そうすることによって給食時間が長くなり、みんな仲良く給食を食べられるという願いを込めてのスローガンです
常時活動
・配膳台の準備片付け
・35分着席、40分配膳呼びかけ
特別活動
「5月感謝ウイーク」「6月完食めざそうウイーク
」「歯の衛生週間ポスター」
後期スローガン「全員完食」

全校生徒が給食を残さず食べることによって、給食室の調理師さんや食材を作ってくれている人たちへ感謝の気持ちを表そうとこのスローガンにしました
常時活動
35分着席と三点着用(給食当番)呼びかけ
特別活動
「10月~3月残量ゼロキャンペーン」「11月文化祭参加」「40分配膳キャンペーン」

生徒の委員会活動は、保健・給食・健康と学校により名前や活動内容が多少異なりますが、ここでは給食に最も関わる活動をしている事例を取り上げます。

I中学校の給食委員会では、学期ごとに委員会スローガンを掲げ、右上の図のような活動を行っています。

特別活動をもう少し詳しく説明すると、6月は歯の衛生週間にちなんだポスターを作成・掲示するそうです。

秋の文化祭では委員会として参加し、体験コーナーや実験などのブースを設営して人気を博したとのこと。

体験コーナーでは「手洗い後の細菌チェック」「食べ残しによる食器の汚れ点検」、実験ブースでは、「目で確かめる食品添加物」や「加工食品の塩分測定」などを実施したそうです。

生徒の自由な発想で、給食のきまりの徹底や健康を守るための様々な知識の啓発を実施できる委員会活動は、身近で取り組みやすい食育活動の一つと考えられます。

ポスター 文化祭での実験
生徒が作ったポスター 文化祭での実験の様子

 

 


大留光子=昭和53年より東京都内4区を経て平成21年度に栄養教諭として江戸川区に勤務。
25年3月退職。現在は、学校給食研究改善協会調理講師の他、学校給食Web「おkayu(www.okayu.biz/)」のディレクターを務める。

【2015年1月1日号】

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