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学校給食は食育の教材【第4回】学校と家庭の連携

2014年8月18日
連載

協力を受けながら同じ目線で育てる体制を

学校給食家庭に浸透する食育活動となる仕組みづくりのヒントを紹介します。タイトル脇の給食は筆者が9月に提供した「さんまのかば焼き丼、冬瓜ともずくのスープ、月見団子、プルーン、牛乳」です。

食育推進に当たり重要なことは、まず、食教育の教材となり得る学校給食を栄養士が調理師と共に創造することです。その基本ができて初めて、食育実践への「GO」サインが出るのだと思います。

そして、実践するためには協力者が必要で、その協力者は児童・生徒の身近な存在であることが条件です。最も身近な存在それは、「親(保護者)」です。

PTAが企画運営した 「給食試食会」で交流深める
学校給食
おそろいのエプロンと帽子で活動

PTA主催ならば参加者の思いを反映してもらおうと、企画運営を保護者の方々にお任せしたところ、様々なアイデアが出てきて、とてもユニークな試食会になりました。

3日間の試食期間を設定し試食希望日を申し込む、セレクトメニューの日に実施する、給食風景を録画撮影し放映するなど、担当者の委員さん達がいきいきと活動されていました。保護者にとっては、子供達が食べている学校給食を知ることは当然の権利でもあり、給食室としては学校給食への理解を深めてもらう良い機会と捉え対応し、交流も深まりました。

「家庭教育学級」で講義 自校や他地区にも広げる

地域外からの依頼で、食についての分科会講師を務めたことがあります。栄養士としての実践や学校給食について話すだけではなく、参加型の懇談会を実施しようと事前に打ち合わせを行いました。小・中学校のPTA役員さん達と、楽しく学べる会を目指して意見を出し合いまとめていく作業は、とても有意義で楽しいひと時でした。

その事前準備のおかげで、当日は講話・生活の見直し提案・料理の交流・グループで学びあう食育・チャレンジ目標の決定と、充実した2時間となりました。この経験を生かし、同じような形式で勤務校や他地区での実施に繋げることができました。

「食育パートナー」を募集し 子供と共に食育を体感

食べ物を扱う授業は準備などに手がかかるため、手伝ってくれる保護者を年間で募集したのが食育パートナーの始まりです。毎年20名ほどの登録があり、約14回の活動に参加していただきました。参加者からは「わが子の様子も見られると思い参加したが、このような活動を知ることができ、食育の大切さも体感でき感謝している」という声などが寄せられました。

食育が一過性で終わることなく、組織的・継続的に行われるためには、校内メンバーの確保と同時に保護者の協力も重要と考えます。同じ視点で、子どもを見守り育てる体制作りが今後の課題です。

 


大留光子=昭和53年より荒川区他3区を経て、平成21年度に栄養教諭として江戸川区に勤務。平成25年3月退職。現在は、学校給食研究改善協会調理講師のほか、学校給食ウェブサイト「おkayu(http://www.okayu.biz/)」のディレクターを務める。

【2014年8月18日号】

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