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【第16回】学校保健~養護教諭は校内外のコーディネーター 横浜市立蒔田小学校 山田智子 養護教諭

2018年4月23日
連載

小さな成功体験から児童に自信を持たせる

第16回は横浜市立蒔田小学校の山田智子養護教諭を訪問した。

児童の発表環境整え自己肯定感向上へ

同校は毎年横浜市内が行っている生活意識調査において、自己肯定感の項目で市内平均を大きく下回っていた。そこで、小さな成功の積み重ねで児童に自信をつけさせる工夫を授業の各所に取り入れた。当初は努力が結果に表れやすいという理由から体育・保健の授業で実践。「運動なら子供たちが楽しみながら個人の成長を実感しやすいと考えた」

山田養護教諭は保健の授業で担任と連携。皆の前で意見を発表できない児童に自信をつけさせるため、発表前にワークシートに自分の意見をまとめる時間を設定。担任との机間指導で児童一人ひとりの意見を肯定する機会を設けた。その後グループで意見交換をさせ、全体での発表に移る。「発言しなかった児童も書くことを通して、意見を評価してあげることができる」授業の最後には、毎回同じ振り返りカードを使用することで、書く力もつけさせたいと考えている。

取組の輪を広げて児童の姿勢にも変化

取組開始以降、普段発表しない児童が意欲的に発言する姿も見られるようになった。「保健の授業が好き」と語る児童も増えた。最初は、一部のクラスでの取組であったが、今は全学年に広がった。「現場の教員が変わっても、継続できる仕組みとして残していきたい。自分だけで進めるのではなく、他教員の協力を仰ぐようにしている」と話す。体育における取組もあり、昨年の調査では自己肯定感の項目に上昇が見られた。

他教科・行事と連携より学びを深める

山田養護教諭は他教科と関連させることで学びがより深まると考えている。例えば6年生では、理科の「人の体のつくりと働き」、4年生では、理科の「体のつくりと運動」を保健学習と同時期に行うようにしている。運動会や体験学習などの行事と5年生の単元「心の健康」を関連づけた指導も行う。

事前指導を徹底し全員で高判定目指す

歯科指導にも力を入れている。同校では歯科検診以外にも歯科衛生士が指導のため来校するが、事前に全クラスで歯磨き指導の授業を実施。「歯磨きカード」を配布し、1週間意識して磨くよう指導している。歯科衛生士が歯垢の状態をチェックした際に児童が高判定を受け、歯磨きに自信を持って欲しいという思いからだ。自分に適したサイズの歯ブラシを選ぶなど、学校でサポートできない点は家庭にも働きかけている。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年4月23日号掲載

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