七草「七草粥、牛乳、鮭の塩焼き、含め煮、おひたし和え、菊花みかん」 |
新しい年が明けましたね。「一年の計は元旦にあり」、今年の抱負を心に刻むだけではなく、何かに書き留めておくことをお勧めします。岡田斗司夫先生の「レコーディングダイエット」では、レコーディングにより具現化の確率が上がるということを、ダイエットで実践されました。さあこの一年は、どんな年になるでしょうか。さて今回は1月の献立についてお伝えしたいと思います。
1月は年中行事(七草、鏡開き、小正月等)が多くあり、日本の文化を伝える良い機会と考え、これにちなんだ料理を取り入れました。
ある時、七草に「七草粥」を作る家庭は少なく逆に「七草すいとん」や「七草うどん」を作っているという話を聞きました。それなら給食で「七草粥」をと出したところ、かなりの残量が出てしまいました。残食を減らそうと翌年は肉そぼろや鮭そぼろを添えたり、主菜など工夫しながら毎年実施してきました。
他には、鏡開きにお餅をイメージした「白玉ぜんざい」や「雑煮」、「お餅のグラタン」。小正月には、昔商家等で奉公人に振る舞っていたという「小豆飯」や「あずき粥」を出すのが定番となっていました。
この5日間は、給食について考えてもらう機会と捉え、給食の意義や法律に則って実施されていること等家庭への啓発も含め、委員会活動の一環として集会や給食時に取り組みました。給食の歴史を振り返る試みとしては、昔の献立(コッペパン、脱脂粉乳、ホワイトシチュー、五目豆、ひじき煮)を実施しました。予想に反して、昔の給食は人気があり今では姿を消してしまった料理の復活を期待する声も多くありました。「脱脂粉乳が給食に出る!」との反響も大きく、世代を超え「給食今昔」の話題が家庭団欒を盛り上げてくれたようです。
また、伝統と文化的食育として、郷土料理-石狩鍋(北海道)、八戸せんべい汁(青森)、こづゆ(福島)、しもつかれ(栃木)、ゼリーフライ(埼玉)、深川めし(東京)、みしまコロッケ(静岡)、筑前煮(福岡)等の紹介給食もしました。過去に伝統料理「しもつかれ」を忠実に再現し、児童にその味を受け付けてもらえず残ってしまったという経験があります。その反省から、郷土料理を取り入れるにあたっては調理師さんとよく相談し、B級グルメやご当地給食などアレンジも加えることにしました。
小正月「あずきめし、牛乳、魚の照り焼き、いものこ汁、ひじき煮」 |
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節分(五穀大豆ごはん、黒豆ごはん、五目豆)立春(春の香りごはん、鰆の照り焼き、ほうれん草のごま和え)初午(子ぎつねごはん、いなりずし、あげ巾着)聖バレンタインデー(チョコエクレアパン、アーモンドタッフィー、チョコレートケーキ)
大留光子=昭和53年より東京都内4区を経て平成21年度に栄養教諭として江戸川区に勤務。25年3月退職。現在は、順天堂大学、武蔵野栄養専門学校講師の他、学校給食Web「おkayu(www.okayu.biz/)」のディレクターを務める。