ゆかりごはん、牛乳、豆腐のあんかけ、切り干し大根煮、みそ汁 |
ノロウイルスやO―157による食中毒がホテルや施設などで発生しており、年明けも一層の注意が必要ですね。
さて、食育事業の一環として、企業や各種団体による講師派遣や出前授業が数多く実施されていますが、今回はその中から、何を選び招くかのポイントについて、本紙で取り上げている「ニジマスプロジェクト」を例に述べたいと思います。
まずは、どのような出前授業があるか調べ、その中から興味のあるものをピックアップする。継続的に食育年間計画に組み込めるものか、授業参観等の短期企画としてかなど、コンセプトを決めることも重要。
ニジマスプロジェクト:不順な動機かもしれませんが、ニジマスの給食用・教材用の無償提供があったことと「ニジマス博士」の派遣があるとのことで決定しました。
PRパンフレットなどを参考にどのような内容の授業等なのかを把握。詳細を担当者に聞いてもよい。年間計画と照らし合わせ、教科との関連などから、対象学年を決定。
ニジマスプロジェクト:きれいな川で育つニジマス(4年社会科)絵を描く(5年図工)ニジマスの解剖(6年理科)、給食時にニジマス博士登場。
当日の時程を含め実施案を作成し、職員会議などで提案する。
ニジマスプロジェクト:当日の流れと授業計画、「ニジマス博士」の教室訪問計画、当日のニジマス献立作成を検討し提案しました。
具体的な活動内容や授業内容を担当者と打ち合わせ、校長・副校長・担任と調整しながら実施準備を行う。
ニジマスプロジェクト:掲示物作成(川に棲む魚、海に棲む魚の図)水質検査キット準備、解剖の参考資料提供。
授業を行った学年の担任を中心にアンケートを取り、結果をもとに今後の課題を把握し、全教職員に報告する。
ニジマスプロジェクト:各学年とも充実した内容で、児童の反応もよかった。しかし、給食時のニジマス展示(栄養士が持参して見せた)は、衛生面で問題が残るという点と、ニジマス博士への質問は事前に把握しておくべきだったという反省点が出た。
七輪でニジマスを焼く4年生の児童たち |
出前授業は様々な角度での提案がされています。児童生徒にとってはどれも新鮮な教材なので、きちんとした視点を持って選び、計画していくことが望ましいと思われます。
ニジマスプロジェクトは、3年間継続して行いました。4年生の授業では、ニジマスの棲む川と学校近くの川の水を水質検査で比較するため、その水を採取しに行ったことなど思い出されます。
その後、異動した学校では、「昔のくらし」の学習と関連させ、七輪でニジマスを焼くという体験活動を取り入れたこともありました。創意工夫して計画していく過程がとても楽しかったと記憶しています。
大留光子=昭和53年より東京都内4区を経て平成21年度に栄養教諭として江戸川区に勤務。25年3月退職。現在は、学校給食研究改善協会調理講師の他、学校給食Web「おkayu(www.okayu.biz/)」のディレクターを務める。